坂本龍一が反原発運動で「たかが電気」発言 ネットで「電気で儲けた人が言うか」と疑問の声
YMO(イエロー・マジック・オーケストラ)のキーボード奏者で音楽家の坂本龍一さん(60)が、脱原発集会に登場し「たかが電気のために命を危険に晒してはいけない」などと発言したことが、ネットで大きな議論に発展している。
坂本さんは原発の再稼動によって、福島のような原発事故がまた起こる可能性を示唆し、原発に頼らない電力供給を呼びかけたつもりだったのだが、「電力が無くなると死人が出るだろ」「お前はYMOの電子楽器で儲けたくせに」などといった非難が多く出ている。
40年以上ぶりのデモ集会で血が騒いだ?
坂本さんは日本での脱原発運動に触発され活動拠点にしているニューヨークから駆けつけ、2012年7月6日に首相官邸前で行われた15万人規模のデモに参加。16日には主催者発表で約17万人が東京・代々木公園に集まった「さようなら原発10万人集会」の壇上に立った。
坂本さんは学生時代に学生運動のデモに参加したが、「脱原発」「原発再起動反対」で日本の多くの人が立ち上がりデモをするのは40年以上ぶりで当時を思い出して血が騒いだ。デモをすることで再稼動した大飯原発は止まることはないけれども、これをきっかけとして「脱原発」の情報発信を進めるとともに、行政に脱原発の候補者を送り込もう、などと呼びかけた。
6日にはテレビのインタビューで、
「命あっての経済なんで、命を蔑ろにする経済は、間違っているんですね」
そして、16日の集会では壇上に上がりこんなことを語った。それは、これだけ大勢の人が集まっているのは、原発に対する恐怖、政府の原発政策に対する国民の怒りが充満している証拠だとし
「言ってみれば、たかが電気です。たかが電気のためになぜ命を危険に晒されなければいけないのでしょうか?たかが電気のために、この美しい日本、そして、国の未来である子供の命を、危険に晒すようなことをすべきではありません」
「誤解されない言葉を選んで欲しかった」と苦言も
この発言に会場からは大きな拍手と声援が挙がった。テレビや新聞などのメディアは坂本さんのこの発言を大きく取り上げたが、ネットでは坂本さんの発言に
「坂本さん、かっこよすぎます」
「本当だよ。たかが電気のために家族や友人、美しい日本が壊されてたまるものか」
といった賛同の声が挙がったが、「たかが電気」というフレーズに引っかかってしまう人が多く、批判の声のほうが強くなっている。
「あんたの楽器、電気があってナンボやろ」
「これから猛暑日が続くってのに『たかが電気』はねえ。電気無くなったら熱中症で死ぬ人いっぱい居るよ?」
「だったら、これから電気の無い生活をして、手本を見せればいい」
「反原発なのに、なんで反電気になってしまったのか意味がわからない」
などがネットの掲示板やブログに書き込まれ、坂本さんバッシングが広がっている。
書き込みの中には
「坂本さんは言葉遣いに慎重になるべきで、誤解されないように、原発以外に代替エネルギーはある、という表現をすべきだった」
と苦言を呈しているものもある。