マルセイユは13日のインテル戦で敗れ、公式戦5連敗となったが、欧州ベスト8の座を手にした。ヨーロッパを制した1993年以来のことだ。「英雄的」「シンプルに魅惑的」。チャンピオンズリーグ準々決勝進出がマルセイユをどれだけアツくしているかは、フランス『レキップ』のこの2つのタイトルを見るだけで分かるだろう。

ヒーローとなったのは、自らを選手として評価しなかった者に雪辱したFWブランドンだ。彼が1月にマルセイユに加わったのは、クラブがレンタル移籍していたブラジルから呼び戻すしかなかったからというだけだ。昨春には婦女暴行疑惑で捜査も受けた。

だが、彼はカップ戦5試合で5ゴールを決めている。その5点目が、インテル戦だった。『レキップ』はブランドンを「素晴らしい」と評価。本人はクリスティアーノ・ロナウドばりの背中でのトラップが「単なる偶然」で、「見もしないで」シュートを打ったことを認めている。『レキップ』は、ブランドンのゴールが「欧州の舞台で国を救った」と称賛した。

また、『レキップ』は、スタミナが尽きないステファン・ムビアやスレイマン・ディアワラに「9」を与えて絶賛。最低点はインテルのディエゴ・フォルラン、ルシオ、アンドレア・ポーリの「5」だった。インテルで最も評価が高かったのは、ハビエル・サネッティの「8」だ。

一般紙『フィガロ』のスポーツ面は、「あり得ないブランドン」と見出しを打った。同紙は、ブランドンの平均得点が「5時間ごとに1ゴール」だと伝えている。一方、『パリジャン』は現実的で、マルセイユがいずれにしても支配され、インテルに押されて、だが「全能の神の目で」守られていたと伝えている。婦女暴行疑惑を受け、ブランドンが福音主義に転向したからだろうか。