韓国軍が、米国で開発された地対空ミサイルシステム、パトリオットミサイル(PAC−3)より射程距離が2倍ある「韓国型パトリオットミサイル」の開発を推進していることが分かった。北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃するためという。複数の韓国メディアが報じた。

 報道によると、複数の軍消息筋は23日、韓国軍は高所60キロメートル以上から飛来する北朝鮮の弾道ミサイルを迎撃できる長距離地対空誘導武器(L−SAM)の開発を進めており、2010年末までに先行研究が終了すると明かした。

 軍は12年1―2月の開発推進に向けた基本戦略を立てた後、13年から開発に着手する。総事業費は9700億ウォン(約632億円)で、約10発が開発される。

 韓国軍は現在、パトリオットPAC−2(高度24キロメートル、射程距離70―160キロメートル)を改良した中距離地対空誘導弾(鉄鷹2)を運用しているが、北朝鮮が弾道ミサイルを使用した場合は対応に限界があった。L−SAMの射程距離は中距離地対空誘導弾の4倍で、迎撃率も高まるとみられている。

 韓国メディアは、「弾道ミサイルの要撃システムは、2015年を目標に推進中の韓国型ミサイル防御体系(KAMD)の構築で必要となる武器体系」と伝えた。(編集担当:新川悠)