ESPNのコラムニストによるヤンキースのデレク・ジーター遊撃手を題材にした著書のなかで、同選手とブライアン・キャッシュマンGMとの関係が修復ができないほど損なわれていることが明らかになった(4月25日付ESPN)。

 近く発売される予定の『ザ・キャプテン:ザ・ジャーニー・オブ・デレク・ジーター』によると、昨秋、ジーター、代理人、ヤンキース球団社長、GMらが契約について意見交換を行ったさいに、ふたりのあいだで刺々しいやり取りがあったという。

 会談は4時間にわたって行われたが、ジーターは、球団側が交渉の詳細をメディアに漏らしたことに立腹していると伝え、最初の45分で席を立とうとした。キャッシュマンはジーターを呼び止め「フェアな交渉をしろというが、では、われわれが提示した最高額にあとどれだけ上積みすればフェアだというのか?」と問いただした。

 他球団からはひとつも契約の提示がなかったジーターは、結局、3年5100万ドル(およそ42億円)プラス出来高でヤンキース残留を決めた。ジーターを最も怒らせたのは「これで納得できないなら、フリーエージェント市場で自分の価値を確認してみればいい」というGMの発言だったという。

 ジーターとキャッシュマンは、アレックス・ロドリゲスに関しても衝突した過去がある。ジーターとロドリゲスの関係が一番冷えていたといわれる2006年、オリオールズ戦でふたりが内野フライをお見合いして捕球できなかったときのことだ。大観衆の前で、ジーターがロドリゲスを睨みつけた。

 キャッシュマンは、ロドリゲスとの関係を改善するようにジーターに命じた。「メディアも球団関係者もファンも見ている前で、お前のせいだ、という目でロドリゲスを睨みつけるなんてどうかしている」 これに対して、ジーターは「ビデオを見せてみろ」と言い返した。

 2007年には、守備力の落ちてきたジーターに対し、もっと努力するようにと伝え、ジーターは「うまくなれる方法があるなら、ぼくはなんだって試してみるつもりだ。でも、だれからも、もっとうまくなれなどといわれたことはない」と答えたという。