フィリピン軍関係者は28日、スプラトリー諸島(南沙諸島)パグアサ島(中国名:中業島)上空の飛行ルートを再設定するする計画だと明かした。また、高速巡視船を調達し、長距離海上パトロールと防空レーダーシステムを整備し、南シナ海での軍事力を強化する。BBC中文網が報じた。

 フィリピンはアジア諸国のうち軍事力が最も弱い国のひとつと見られていたが、2010年に就任したアキノ大統領は、軍近代化を短期間で実現させると宣言した。

 フィリピン軍によると、今回の措置は、領有権をめぐり争っている南沙諸島および周辺の領土保護を目的としたものという。空軍のEduardo Oba司令官は、「今回の軍事力増強予算として、軍は1億8500万ドルを確保している」と述べた。

 南沙諸島は、海上交通や軍事戦略上の要衝であり、石油・天然ガスなどの海底資源や漁業資源が豊富な海域。中国、フィリピン、ベトナム、マレーシア、ブルネイ、台湾などアジア各国家・地域が諸島全部あるいは一部の領有権を主張しており、東南アジア領土問題の最も大きな火種となっている。今月初め、フィリピンの石油探査船が南沙諸島で中国の哨戒艇2隻から撤退を強制されたとして、フィリピン政府が中国政府に抗議するという事件が起きた。(編集担当:松本夏穂)



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