うつ病や自殺未遂のカウンセリングを始めて15年。うつ状態の人も、うつ状態の部下がいる上司の方にも、そして家族の方々にも考えて頂きたい「努力」というイメージの功罪について。

「努力が報われる」というフレーズは、いろいろなところで、いろいろな人達が話している一般的な言葉です。

義務教育でも、高校受験、大学受験、部活やサークル等々ひいては、テレアポや飛び込み営業などがメインになっている会社でも、努力は報われると言われることがあります。

◆ 言葉の意味を振り返って

さて、では質問です。

努力している人が好きですか?

努力しているだけで結果が出ていない人が好きですか?

努力しているように見えて、結果が出ていない人が、自分より給料が高くても我慢して笑顔でいられますか?

「努力が報われる」という言葉の魔力はとても重要です。

カウンセラーの中にも「言霊」といったフレーズと一緒に使っている人達もいます。私は「言霊」は信じていませんが、言葉が持つ「イメージのチカラ」は大きいと思っています。

では、人生の中で「努力が報われたこと」はどれだけあるのでしょうか?

社会人は、努力する途中の人と、自分に役立つ成果を出す人のどちらを評価するのでしょうか?

◆ 実生活から考える「努力」

うつ状態にある方々へのカウンセリングを通して感じること。

それは「努力が正当に評価されていないことへの不満」を強く抱えているということです。

そう、努力という主観的なものを、他人に評価されたい(主観的な)欲求によって判断しようとしていため、時間をかけ続けても、結果的には「誰にも理解してもらえない」という思いにしかならないわけです。

この思いの背景にあるものの一つが「努力は報われるべきもの」という主観なのです。

◆ 「努力は報われない」でも「報われた時には努力をしている」


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