12日のEURO12予選、イタリア対セルビアの一戦で暴挙に及び、試合を中止へ追いやったセルビアのウルトラス、イバン・ボグダノフはイタリア警察に逮捕された。弁護士を通じ、ボグダノフは次のようにコメントを残し、イタリアに対する悪意はなかったと謝罪している。

「イタリアとイタリア人には許しを請う。我々は決してイタリアに損害を与えることなど考えていなかったし、イタリアは私がすごく好きな国なんだ。これまで訪れたことはなかったが、イタリアはとても美しい国だ」

「イタリアとの間に政治的問題が生まれたり、試合が中止されるなどとは思っていなかった。私はすべてのセルビア人と同じように国粋主義者だが、“アルカンの虎”には属していない」

一方で、セルビアサッカー連盟のラコビッチ事務総長は、イタリア側の試合運営が「ひどかった」と批判している。

「イタリア陣は運営の欠陥を説明するのが大変だろう。我々は(試合当日の)10時、イタリアサッカー連盟と試合監督団に、実際に起きたようなことがあり得ると警告していた。返答がなかったから、13時にも再び大きな危険があることを伝えたよ。すでにフーリガンたちが街にいたしね。だがそれにも返答はなく、我々は18時にUEFAの人間に電話し、安全に関して警告した」

また、セルビアのウルトラスは、セルビアで開催予定のイタリア戦に向け、イタリアを“脅迫“している。ジェノヴァでの試合を訪れていたウルトラスの一人は、「お前らの代表と、チームを追いかける人間たちにとっての問題があるだろう。お前たちの警察はあまりに暴力的だった。だが、我々は試合が行われなかったことに満足していない」とコメント。弁護士を名乗るもう一人のウルトラスは、「セルビアファンのエリアには何でも持ち込めた。発煙筒だけじゃなくね。目的はセルビアの連盟だった。我々はカラジッチ会長に対して怒っているんだ。アイドルであるアンティッチ前監督を解任したからな」と話している。

UEFAが今回の一件についてセルビアに処分を下すのは、28日のこととなる。だが、セルビアはUEFAのミシェル・プラティニ会長の“スポンサー”でもあるため、EUROから追放されることはないと思われる。より可能性があると見込まれるのは、3−0でイタリアの勝利とすること、少なくとも3試合は無観客試合(おそらくは中立地で)とすること、そして高額な罰金処分だ。

ただし、試合を開催したイタリアにも処分の恐れはある。罰金処分は避けられないだろう。だが、セルビアに対する処分の重さ次第では、イタリアにも1試合分の処分が科される可能性がある。