「バルサのユニフォームを着ているセスクが見たい」ラポルタ会長に迷いはなかった。“マシア(バルサのカンテラ選手寮)の歴史”と題する本のプレゼンテーションに出席したラポルタ会長は、セスク獲得に興味を示しているようだ。

 「最終的にセスク獲得に動くかどうかはテクニカル・ディレクターをはじめ現場の意見が尊重されるが、彼はバルサのスタイルを理解しているし、すばらしい能力を持った選手だ」と褒め称えたラポルタ会長。セスクは周知の通りバルサのカンテラ育ち。メッシやピケと同年代で“黄金世代”と呼ばれた87年生まれ組だ。

 しかし、ユース以下のカテゴリーでは選手層の厚さから目立った選手ではなかったセスク。世界の優秀選手が揃うトップチームでデビューは不可能と考えたセスクが選んだ道はプレミアリーグだった。アーセナルのリザーブリーグから這い上がり、今シーズンはチームのキャプテンまで務めるほど成長した。

 セスクがバルサに呼び戻されれば、中盤はチャビ、イニエスタ、セルジ・ブスケスといったカンテラ出身でさらに強化される。ビクトル・バルデス、プジョール、メッシ、ボージャンと他のポジションでも優れた選手が揃うバルサ。トップから育成まで一貫したバルサスタイルが定着している。その基本となるのが“ポゼッションフットボール”だ。

 セスクが本当に将来バルサでプレーするかどうかは明らかではないが、彼自身やはり育ったバルサのユニフォームをもう一度着たいという意志はあるはずだ。将来バルサ育ちで固められたバルサが見られるかもしれない。

(スペイン通信)