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北朝鮮に足元見られ核開発を黙認するブッシュ末期政権の大愚【週刊・上杉隆】
2008年07月03日11時10分 / 提供:ダイヤモンド・オンライン
見事な「政治ショー」だった。
核査察を求める国際的な圧力の声が高まる中、北朝鮮は核計画の申告書を中国政府に提出した。寧辺の核施設の冷却塔を爆破したのは、その直後のことだった。
今回、平壌政府は爆破にあたって、各国のメディアを現地に招待し、その様子を公開した。その狙い通り、テレビニュースでは繰り返し爆破の映像が流れ、翌日の新聞紙面にも崩れ落ちる冷却塔の写真が掲載された。
実は、すでに爆破前、その冷却塔は役割を終え、内部設備は撤去されていたのだ。廃墟と化したコンクリートの建物の破壊は、単なる「爆破ショー」である以外の意味はない。
だが、世界中のテレビで強烈な映像が流れたおかげで、問題はすっかりすり替えられてしまった。果たして、その冷却塔が使用可能であったどうかを検証する声は、圧倒的な映像の前にかき消された。
申告書の中身がどうであれ、世界中に「爆破ショー」が伝えられたことで、金正日政権の目的はほとんど達せられたといっていいだろう。
G8外相会合のため、日本を訪れていたライス米国務長官は、高村正彦外務大臣に対して、申告書の検証を約束した。だがいったい、それにどの程度の意味があるというのだろうか。
したたかな戦略でもって、各国の報道機関のみならず、全世界の人々を騙してしまった北朝鮮。今回の「爆破ショー」は、金正日政権のメディア戦略の勝利以外の何ものでもない。
過去、独裁国家には度々メディアの天才が登場している。北朝鮮政府の中にも、ナチス時代のドイツがそうであったように、プロパガンダで国民を操る頭脳を持った人物が存在しているのだろうか。
北朝鮮の「ゲッベルス」の正体は未だ知られていないが、今回の「爆破ショー」を見る限り、日本を初めとする先進国の「敵」ははっきりしたといえる。すなわち、そうした人物の戦略と戦うことである。
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