「盗用」記事を載せていた若林史江さんの公式サイト

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   日経記事の盗用疑惑が持ち上がっている「美人トレーダー」が、ラジオの株番組のパーソナリティから降板させられたことが分かった。しかし、金融のプロの間では、その株知識が疑われていたといい、マスコミがトレーダーをもてはやしたことへの批判も出ている。

「パーソナリティにはふさわしくないと判断しました」

   盗用が指摘されたのは、メディアでの株解説で人気の若林史江さん(30)。19歳で入った投資顧問会社で、株の魅力に目覚め、1銘柄の売買で1000万円以上を稼いだとして一躍脚光を浴びた。その後、トレーダーとして独立し、「株が好き♪」などの本を出版。これまで、ラジオでの株式講座でパーソナリティを務め、テレビのバラエティ番組にも出演したことがある。

   週刊朝日2008年6月27日号によると、若林さんの公式サイト「フミの株が好き!」の記事に、日経QUICKニュース社のネット配信記事の盗用とみられるのが28本も見つかった。また、夕刊フジは、16日の記事で、盗用が50回近くもあったと伝えている。

   これに対して、若林さんは6月16日、公式サイトで直筆のお詫び文を掲載した。が、事実関係は「誠意調査させて頂いている段階」とするに留まった。一方、日経広報グループでも、J-CASTニュースの取材に「現在調査中」と答えている。

   ところが、KBCラジオ(福岡市)の広報室は17日、J-CASTニュースに、若林さんは、ブログの記事に問題があったことを認めたと明らかにした。そして、若林さんがレギュラー出演している株式講座は、22日放送分から降板してもらうことも明かしたのだ。この講座は、ニッポン放送系のラジオで毎週日曜日の朝に放送されている。

   その理由として、広報室では、「(若林さんは)タンス株をなくして株式の電子化を普及させるためのPR役を務めています。そのパーソナリティにはふさわしくないと判断しました」と説明している。

マスコミがもてはやしたことに批判も

   週刊エコノミスト増刊2005年10月3日付インタビュー記事によると、若林さんは、入社した投資顧問会社で営業に回され、素人なのが悔しくて株の勉強を始めた。会社のホームページで個人日記を書き始めたところ、評判になりちょっとした有名人に。別の会社に転職してそこも辞めたが、雑誌連載をきっかけにトレーダーとして独立した。

   若林さんが説くのは、「フミエ流投資術」。それは、人と会うことだという。そこから意外と儲かる株が見つかったりすると指摘する。さらに、株式投資は恋愛と同じだともする。「相手を探して、付き合って、浮気とかされて、別れる、というストーリーは一緒」と若林さん。恋愛より株の方が簡単だとして、「恋愛だと、割り切って損切りとかできない」と解説している。

   そんな若林さんだが、公式サイトでは、読者との交流をおろそかにしていたようだ。週刊朝日などによると、サイトの記事は、忙しいため、数年前から知り合いに書いてもらっていたという。

   フミエ流投資術には、果たして説得力があるのか。

   大手証券会社のあるアナリストは、「金融のプロの間では、あまり相手にされていなかったようだ」と話し、こう指摘する。

「プロは、本来なら、理論的な裏付け、市場への深い知見があってしかるべきです。でも、若林さんは、株に興味のある女性や中高年を相手にし、マスコミにうまく乗ったというイメージしかありません。その解説も、日経をよく読んで話しているだけという印象でした」

   そのうえで、マスコミがもてはやしたことも批判する。

「ちゃんとした金融のプロと一緒にマスコミに出ていたのには、大きな疑問を感じました。株式講座を持つような人は、タレントとは違います。銘柄のことも分からないような一般の人の投資に影響力があるのですから」

   J-CASTニュースでは若林さんに直接取材しようとしたが、これまでに連絡は来ていない。

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