セビージャ戦勝利の立役者、バルセロナのレオ・メッシは、自身のゴールをチームメイトで大切な友人の一人であるロナウジーニョに捧げた。

 早くも起こるロナウジーニョへの批判。先日のチャンピオンズリーグ、対オリンピック・リヨン戦ではボールにタッチする度に、そしてベンチに下がる際にもブーイングと拍手と同時に起きるなど、彼に対するカンプ・ノウのファンの反応は半々。ロナウジーニョのセビージャ戦欠場は負傷によるものだが、ロナウジーニョ問題を再熱させる原因にもなってしまった。

 しかし、そんなファンに対してメッシはメーセージを送ったのだ。「ファンはロナウジーニョを支持するべきだ」と。ゴール後に見せた彼のパフォーマンス(親指と小指を立てたポーズ)は、ロナウジーニョがゴールを決めた時に行うパフォーマンスを真似たもの。ロナウジーニョを「世界最高の選手」と常々強調しているメッシにとってファンの批判には納得できないもの。その純粋な気持ちをパフォーマンスにこめたのだ。

「リーガの強力なライバルとの一戦で僕らは素晴らしい試合をしたんだ。姿勢が何より大事なんだ。勝つ方法はそういう姿勢だってことも分かっているんだ。だって、僕らにはその力があるんだからね」。

 リヨン戦、セビージャ戦とチームを牽引し、ヒーローとなったメッシは、タイトル争いの直接のライバルとの一戦での勝利に喜びを見せ、「ロニーはケガでプレーできなくなってしまったんだ。僕がケガをしていた時に彼がしてくれたように、僕も彼にゴールを捧げたかったんだ」と明かした。

 メッシのロナウジーニョへの思いやりはロナウジーニョにも確実に伝わったはず。そして、それはロナウジーニョにとって何よりの薬となったことだろう。

(スペイン通信)