今シーズン終了後、リーグ・アンの選手の中で動向がもっとも注目されるのは、マルセイユのリベリとリヨンのマルダになるに違いない。リベリはマルセイユのディウフ会長から移籍に“ゴーサイン”をもらったと伝えられるが、リヨンのオラス会長はマルダを手放したくないようだ。

 14日には、マルダと会長が昼食をともにして今後を語り合った。サッカー専門サイト「フットボール365」にマルダ本人が明かしている。マルダと会長の関係は非常によく、話し合いも和やかに行なわれたという。昼食の席では、会長がマルダに残ってほしい理由を説明し、一方のマルダは、複数のクラブからアプローチを受けていることを伝えた。

 マルダは「クラブを出たいと言うために会長に会いに行ったわけじゃない。今はじっくりと考えている最中だ。リヨンにいて不満はない。ただ、断る理由のないもの(オファー)もある。そのときを逃したら、もうやってこないかも知れないという思いは誰にでもある」と、“魅力的”なオファーが存在し、それに心を動かされていることを匂わせた。「もし出るとしたら、リヨンよりも上のチーム」というだけに、これまでの報道通り、イングランドやイタリアのビッグクラブが接触している可能性は高い。

 オラス会長が残留の説得材料のひとつにしているのは、「ユーロ2008の直前に外国に出るのは不利」というものだが、マルダは「出るとしたら、それは自分を厳しい状況に置くため。きっちりと準備を怠らないつもりだ」と、むしろプラスに考えている。

過去には、エシアン(現チェルシー)、ママドゥ・ディアラ(現レアル・マドリー)など、クラブ側が移籍に難色を示して紛糾したケースがあったリヨンだが、マルダは「自分のときはもっとうまくいくように望むよ」と語る。インタビュアーの“誘導尋問”にも素直に答えるマルダ。インタビューの様子から察する限りでは、移籍の可能性がかなり高いと感じられる。