松坂大輔が契約したという記事を半分居眠りしながら読んだが、それはともかく、いくつかのメディアは松坂を、「ダイスK(Dice《さいころの意》-K)」と紹介していた。原語の発音に近いし、K(三振)の字も入っていて、ニックネームをつける初めの一歩としてはいいんじゃないだろうか。とんでもないピッチャーだってことは知られているし。

  しかし、これは「Aロッド」(アレックス・ロドリゲス)や「Tマック」(トレーシー・マクグレディー)と変わらないやり方だ。ファーストネームが長い場合は逆になることもあるが、とにかく不十分なものだ。日本人は右から左に文章を読むが、それはさておきもっとうまいやり方があるはずだ。

  私見では、最近のスポーツ選手のニックネームの中でピカイチだったのは「アンサー」(アレン・アイバーソン)だ。尊大でうぬぼれ屋なところをよく表し、ニックネームで受ける印象が本人の人物像を端的に示している(ちなみに私は、「アイバーソンは実は自分自身を自虐的に『クエスチョン』と呼ばせている別チームも持っている」という弁護の声を待っているのだが、その話はまた別の機会に……)。シャキール・オニールもいくつかいい二つ名を持っているが、自分から売り込んだから減点。ニックネームの押し売りはルール違反だ。

  来年はとりあえず、「ただ名前を縮めて呼ぶだけのニックネームはやめよう」と訴えてみようか。たとえばAロッドのかわりに「マイアミ・キャッシュマシーン」はどうだろう。Tマックは「マック・ザ・ナイフ」だ。OK、ベタだってことは分かっている。でもとにかく、ニックネームは呼びやすいだけでなく、その人の個性を表現するものでなくてはならないのだ。球界はこれまでにも、ベーブ・ルースやテッド・ウイリアムスやピート・ローズに、BルースだのTウィルだのPローズだのではなく、「スルタン・オブ・スワット」とか「ザ・キッド」とか「チャーリー・ハッスル」といった呼び名を与えており、その辺はうまかったはずだ。

  さて、まずは松坂大輔にいいニックネームをあげなければ。あなたはどんなのがいいと思うかな? 【了】

■オリジナル記事:Sports needs better nicknames

■ブログ: ナイスガイズ・フィニッシュ・サード(Nice Guys Finish Third )(2006年12月20日付)より

■筆者: ポール・デブルーラー(Paul DeBruler)氏:

  ナイスガイズ・フィニッシュ・サードは、なんの内部情報も高度な知識も統計的裏付けもない自称「ただの野球バカ」の一ブロガーが、シアトル・マリナーズを中心に大リーグに関する話題をつづったブログ。

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