文系就活生が選ぶ「就職人気ランキング」TOP100
文系学生が選んだ就職人気ランキングは、2年連続で1位ANA、2位JALという順位になった (撮影:尾形文繁)
就活生が関心を抱く企業はどこか――。その端的な指標としてわかるのが、就活生の投票によって算出した、就職人気ランキングだろう。
4月12日付の配信記事「2万人の就活生が選んだ『就職人気ランキング』」を皮切りに、これまで、男子学生、女子学生、理系学生ごとの人気企業の傾向を見てきた。今回は、文系就活生を対象にした、「就職人気ランキング・文系学生版」の上位100社を紹介していきたい。
ランキングは、文化放送キャリアパートナーズ就職情報研究所の調査を基にしている。同社の就職サイト「ブンナビ!」に登録している学生のうち2万2028人(うち文系1万8424人)が回答した結果だ。調査期間は2018年10月1日から2019年3月31日までとなっている。
ランキング表には、2020年卒・前半の総合順位と、昨年(2019年卒・前半)の文系順位を掲載している。「前半」とは、同調査が就活の「前半」と「後半」の年に2回実施しており、今回は前半の結果だ。
就職活動の「前半」の段階では、まだまだ憧れやイメージが強い。一方、実際の説明会や面接を経た「後半」とでは、企業へのイメージも変わってくる。それぞれのタイミングで調査を行い、傾向の違いについても分析を行っている。なお、後半の結果は7月頃に発表する予定だ。
エアラインや旅行業に人気集まる
順位を見ていこう。1位は全日本空輸(ANA)、2位は日本航空(JAL)と、総合ランキングと同じ結果になった。文系の投票比率が高いため、総合ランキングに近い結果になりやすい。ただ、2年連続で同じ結果になっており、エアライン業界の人気が引き続き強いことがわかる。
3位はJTBグループ。総合では8位だが、文系学生からの人気が高かった。旅行業はインバウンドの拡大などにより、成長が見込めるだけでなく、メディアや出版、情報システムなどグループ内で旅行を軸に多様なビジネスを展開している。そうした選択肢が多いことも人気の1つである。
4位は日本生命保険と昨年の文系5位からワンランクアップ、反対に5位みずほフィナンシャルグループは、昨年の文系4位から順位を下げた。採用数削減などに端を発した、就活生の銀行離れだが、男子学生を中心に人気は底堅く、12位の三菱UFJ銀行と合わせて、文系のランキングで上位に踏みとどまっている。
6位は大和証券グループで、7位は理系1位の明治グループ(明治・Meiji Seika ファルマ)が入った。昨年の文系22位から大きく順位を上げており、文系学生にも人気になってきているようだ。
今年は総合商社の人気の高まりが顕著だったが、文系ランキングでも8位伊藤忠商事(昨年18位)や、11位丸紅(昨年94位)と、かなり順位を上げている。
以下、トップ10には、9位大日本印刷、10位博報堂/博報堂DYメディアパートナーズが入った。
すでに就職活動は終盤に入っており、各社の内定動向調査によれば、6月の「選考解禁」を前に、すでに半数程度の就活生が内定を得ている。そんな売り手市場の就職活動を経て、学生の企業の見方はどう変化するのか? 引き続きその動向を注目していきたい。
■調査について
調査主体:文化放送キャリアパートナーズ 就職情報研究所
調査対象:2020年春入社希望の「ブンナビ!」会員(現大学4年生、現大学院2年生)
調査方法:文化放送キャリアパートナーズ運営の就職サイト「ブンナビ!」上でのWebアンケート、文化放送キャリアパートナーズ主催の就職イベント会場での紙アンケート、文化放送キャリアパートナーズ就職雑誌同送ハガキアンケート
*投票者1名が最大5票を有し、志望企業を1位から5位まで選択する形式
調査期間:2018年10月1日〜2019年3月31日
回答数:22028(うち男子8360・女子13668/文系18424・理系3604)
総得票数:67262票
「就職」を重視する学生は「企業イメージ(企業価値)」よりも「仕事イメージ(仕事価値)」に重点を置くとの仮説の下で、ランキングを算出。
就職者誘引度は、学生が企業イメージと仕事イメージのどちらを企業選択時に重視したかという回答によって算出。企業イメージのみで投票した場合は就職者誘引度0、仕事イメージのみで投票した場合は100とし、得票平均値を就職者誘引度としている。
総得票数×就職者誘引度=就職ブランド力とし、就職ブランド力を基にランクを計算。
社名はアンケート上の名称で、1採用窓口=1社名を基準にしている。グループで採用が一本化されている場合は「○○グループ」等で表記。