今年の中国のゴールデンウィークは4日間と日本に比べると短かったが、旅行ブームにわいていることもあって積極的に国外に出かける人が多かった。(イメージ写真提供:123RF)

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 日本で10連休となった今年のゴールデンウィークだが、自宅でのんびり過ごす人が多かったようだ。今年の中国のゴールデンウィークは4日間と日本に比べると短かったが、旅行ブームにわいていることもあって積極的に国外に出かける人が多かった。

 中国新聞網はこのほど、「ゴールデンウィークに400万人が世界の90カ国に旅行」と報じた。最も人気がある観光地はタイで、2番目に人気の観光地は日本であると説明している。また、中国の巨大経済圏構想「一带一路」ルート沿い各国も人気があり多くの中国人が出かけた。中には、ほぼ地球の裏側にあたる南米やアフリカに出かけて行った人もいるという。

 記事によると、今年のゴールデンウィークに東欧のクロアチアを訪れた中国人は前年比450%増だった。地中海に浮かぶマルタへは同300%増、アイスランドは同140%増、アフリカのモロッコへは同107%増だったという。前年の旅行者数の絶対数が小さいのだろうが、一気に増えている勢いが感じられる。北京からクロアチアのザグレブまでは、ミュンヘンやモスクワなどを経由して最短でも11時間15分の旅程。マルタへの12時間50分、モロッコ(マラケシュ)へは13時間50分が必要だ。他人ごとながらご苦労様なことだ。

 旅行サイト大手のCtrip(シートリップ)によると、今年のGWで最も遠くに旅した人は、上海を発って、南米のブラジル、アルゼンチン、チリ、ペルーの4カ国を21日間かけて旅行したそうだ。上海とサンパウロ間は最短で26時間。旅行代金は1人あたり5万元(約80万円)以上だったという。

 興味深いのは、日本は2番人気の国外旅行先の国であるにもかかわらず、「中国人が買物に行きたい都市トップ10に、東京、大阪、京都、横浜、名古屋、札幌、福岡、神戸の8都市が占めた」点だ。これは、日本業者の割引クーポン戦略が功を奏した結果のようだ。Ctripでは、45カ国の6000超の小売企業が割引クーポンを配布し、中には、最大25%割引のクーポンもあった。

 小売業者が割引クーポンを使って売上を伸ばすことは、中国ではよくみられる。これに合わせ、割引に慣れた中国人観光客に対し割引クーポンの事前配布は、日本の業者だけではなく各国の業者にも広がっている模様だ。割引価格で購入したいという中国人の消費者心理は国内のみに留めることはできないようだ。(イメージ写真提供:123RF)