マンCを離れるコンパニ photo/Getty Images

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「マンチェスター・ユナイテッドを指揮した名将アレックス・ファーガソン氏が獲り逃がした選手たち」と題した特集を組んだのは、英『Manchester Evening News』だ。パリ・サンジェルマンに所属していた元ブラジル代表FWロナウジーニョの獲得レースでバルセロナに敗れるなど有名なエピソードもあるが、なぜこのタイミングで注目されているのか。

それは、マンチェスター・シティを退団すると表明したDFヴァンサン・コンパニの獲得をファーガソン氏が検討していたからだ。コンパニは母国ベルギーのアンデルレヒトでキャリアをスタートさせたわけだが、ファーガソン氏が目をつけたのは早かった。デビューシーズンとなった2003-04シーズンには目をつけていたようで、チャンピオンズリーグのセルティック戦を現地視察したという。ただ、ここでコンパニ以上に光る原石を見つけることになる。

「2003年の11月にグラスゴーで行われたセルティックとアンデルレヒトのゲームを見に行った。コンパニを見るためだ。ただ、私の目はすぐにセルティックの若きMFに惹き付けられた」

ファーガソン氏は以前このように語っているが、そのMFとは2004年にマンUヘ加わった故リアム・ミラー氏のことだ。残念ながらマンUで活躍することはできず、一方のコンパニは2006年にハンブルガーSVに移籍。そして2008年にマンCへ加わることになる。

まさか自身が5年前にチェックしていた選手が同じマンチェスターのライバルクラブに移籍し、そこからプレミアの覇権を奪われるなんてシナリオはファーガソン氏も予想していなかっただろう。コンパニを軸としたマンCは今やイングランドを支配する存在となった。

他には3400万ポンドの移籍金は高額すぎるとの理由で獲得を見送ったチェルシーMFエデン・アザール、若すぎるとの理由から2003年当時スタッド・レンヌに所属していたGKペトル・チェフ獲得を取りやめたことなどがピックアップされているが、この2人もコンパニと同じくライバルクラブの一員としてファーガソン氏を苦しめることになった。