「美菜恋来屋」ではLINEでその日入荷した野菜の情報を発信し、販促に役立てている(兵庫県南あわじ市で)

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 兵庫県南あわじ市の大規模直売所「美菜恋来屋(みなこいこいや)」は、スマートフォンの無料通話アプリ「LINE」を、野菜などの販促に活用している。同時に複数人がメッセージや写真をやりとりできるLINEの「グループ機能」を使い、出荷された野菜のサイズや特徴などをレストランのシェフらに発信。商品の取り置きなどを手軽に頼める仕組み。リアルタイムで情報発信でき、鮮度の高さという直売所の武器を最大限に生かせる。

 同店は地元のレストランなど、業務向けの販路開拓に力を入れる。LINEを使った販促も、その一環だ。毎日は仕入れに来られないシェフらに向け、LINEでその日の入荷状況を伝える。グループには、県内外の飲食店関係者ら約100人が登録している。

 入荷した野菜の中から、アピールしたいものを選び、形や色合いなどが分かりやすいよう一つずつ撮影し、LINE内で共有する。撮影時には、野菜の横に物差しを置き、サイズ感も伝わるよう工夫する。

 メッセージや写真を見て、すぐに購入に来たり、問い合わせが来たりするなど反響は大きいという。淡路市のレストラン「しぶれっと」の川田耕三オーナーシェフは「メニューは固定せず、その時の良い物を取り入れるようにしている。『今日はこんなのが入りましたよ』と提案してくれるので、メニューを決める参考になる」と評価する。美菜恋来屋の久田眞司支配人は「珍しい物や新商品をアピールするのに役立てている。シェフ同士の紹介もあり、メンバーが増えてきた」と手応えをつかむ。