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日本テレビの科学バラエティ番組『所さんの目がテン!』(毎週日曜7:00〜)が、絶滅危惧種であるニホンウナギの繁殖につながる世界初の実験に成功したことが分かった。この模様は、25日の放送で紹介される。

番組の長期実験企画「かがくの里」では、北里大学・千葉洋明准教授の発案による「ウナギの稲田(とうでん)養殖」実験を実施。一般的な養殖場では、育ったウナギが99%オスになってしまうという不思議な現象があるが、今回、自然状態に近い池で100匹の稚魚を半年間育てたところ、6匹のサンプル中5匹がメスであることが判明した。

千葉准教授は興奮した様子で「ニホンウナギ資源保護につながる重要な発見」と説明。学術論文の作成と学会への発表はさらに半年以上の期間をかけ、追加の調査が必要となるが、「今回の発見を礎に、天然環境に近い稲田養殖で育ったウナギの個体群ではメスが多く、環境適応力も高いことが証明されれば、絶滅に瀕するウナギの資源回復にとって極めて有効な放流手段となることが期待できます」と話している。

番組MCの所ジョージは「これはもう、来年はさらに大量のメスウナギが『かがくの里』で育つに違いないですね!? 数年後には海までつながる川を掘り、メスウナギをバンバン放流して、美味しいウナギが山のように帰ってくるようになる。すると、世界的なウナギの名産地になるので、国が動いて『かがくの里』を『国立メスウナギの里』にしてくれるかもしれません!」と、興奮ぎみに語った。

2014年11月から行っている「かがくの里」は、茨城県の約2,000坪の敷地で、科学者たちが知恵を出し合って里山再生を目指す長期企画。稲作のため、山の湧水を引いた用水池で行う自然環境に近い、全くエサを与えない養殖では、16年からドジョウ、ホンモロコなどの養殖を開始し、それらは現在も繁殖し続けている。

今回の実験はこの環境で、全長5cm程度のシラスウナギを餌付けし、全長10cmまで飼育したクロコを100匹、今年6月に放流。人工飼料は全く与えず、用水池内で自然繁殖しているモロコ、ドジョウやスジエビを食べて、ウナギは順調に成長した。

千葉准教授は「この稲田養殖は、一切人工飼料を与えず、栄養豊かな水田の水と自然エネルギー(太陽光)によって、自然発生した生物たちを餌に利用するため、高騰する飼料用魚粉にかかるコスト軽減にもつながる、エコノミーかつエコロジーな養殖方法として今後の養殖業のありかたを考えるうえでさまざまなヒントを提示してくれるものと考えられます」とも語っている。