J2リーグ初優勝、そして来季J1への昇格を決めた、長野県の松本山雅FC。最終節、2位の大分トリニータの追撃をギリギリのところでかわして優勝を決めた。この優勝を、ブラジルのリオデジャネイロ地元紙『Lance!』も祝福している。

「松本山雅がチャンピオン! ブラジル出身のジネイらが所属する松本が日本の2部リーグ、J2でタイトルを獲得した。長野県にある松本平広域公園総合球技場(愛称はアルウィン)の大勢の観衆の前で開催された最終節、彼らは徳島ヴォルティスと引き分けた。

 これはアジアのサッカー界においてエリートの証であるJ1リーグへの挑戦権と、J2リーグのトロフィーを獲得するに値する、十分な結果だった」

 松本の優勝にブラジル・メディアが注目しているのは、同クラブにブラジル出身のセルジーニョ、パウリーニョ、そして今季8月31日に電撃加入した、元パルメイラス所属のFWジネイの存在が大きい。ジネイは過去、鹿島、湘南などでもプレーし、今シーズン当初はヴァンフォーレ甲府に所属していた。しかし、怪我で出場機会に恵まれず、8月に契約解除となった。

 そこで手を差し伸べたのが松本だった。ジネイはブラジルへ帰国する1日前に松本への加入が決まり、9月1日にはリーグ戦デビュー。8日のアビスパ戦で初ゴールを決め、1-0の勝利をもたらすなど、チームのリーグ優勝に貢献した。

 最終節ではベンチ外となったが、ジネイは同メディアの取材に対し、松本への感謝の気持ちを口にしている。

「ケガに悩まされることが多いシーズンでしたが、今はとても幸せな気分です。個人的には去年に比べて物足りない結果になりましたが、チームが上手くやり遂げ、優勝とJ1昇格を決めることができました。今は安心して、仲間や家族と一緒に祝い、来年のために準備していきたい。私はこのチームのため、そしてJ2優勝以外のタイトルも獲得するために、懸命に努力したいと思っています」

 加入の際には「ともにJ1へ行きましょう」と決意を表していたジネイ。宣言通りにチームを昇格させた35歳ブラジル人ストライカーの今後に、国内外から注目が集まりそうだ。