「おまえも死ぬぞ」 岐阜の寺にストレートすぎる“仏の教え”が…「諸行無常」「心に響く」と反響
岐阜県郡上市の「願蓮寺」(住職・石神明さん)の境内に掲示された文言が、SNS上で話題となっています。
白い長方形の紙に縦書きされているのは、「おまえも死ぬぞ 釈尊」という言葉。そのストレートさと強烈なインパクトについて、「心に響くお言葉」「分かりやすい」「人間の致死率は100%」「諸行無常」などの声が上がっています。
季節などを考慮し、月1ペースで変更
真宗大谷派の願蓮寺の歴史は、1494(明応3)年にさかのぼります。1585(天正13)年ごろ、八幡城主・遠藤慶隆により現在の土地へ移りました。郡上の匠の技が施された本堂などが特徴です。
石神さんによると、「おまえも死ぬぞ」の紙が掲示された掲示板は、寺の門前、本堂に向かって右側にあります。こうした掲示は昭和50年ごろから始まり、掲示される文言は、季節などを考慮し、月1回ペースで変更しています。
文言は、石神さんが自ら書く場合と、世に出ているものを使用する場合があり、今回の「おまえも死ぬぞ」は後者とのこと。真宗大谷派岐阜教区教化委員会が教区内の寺に配布したもので、7月から掲示しています。
「他のお寺でも、こうした文言を掲示することはありますが、『遠慮』もあるので、ここまでストレートで端的な言葉を掲示することは珍しいかもしれません」(石神さん)
それでは、「おまえも死ぬぞ」に込められた意味とはどのようなものでしょうか。石神さんは、次のように解説します。
「ご存じのように『釈尊』とは『お釈迦様』のこと。そして、人生の真実、真の姿を引き受けるのが仏教です」
「人間は、いつまでも『生』のみが人生と考えていますが、それは、『死』を遠ざけて、触らないようにしているだけです。『生死無常』の言葉通り、『生』のみならず『死』もまた人生なのです」
石神さんによると、「おまえも死ぬぞ」が私たちに訴えかけるのは、以下のような内容です。
「『死』というものの存在を自覚すれば、今をいとおしみ、真剣に生きることができる、というのが仏教の教えです。『明日ではなく、今を生きなさい』ということですね」