母国W杯優勝も“蚊帳の外”… 元仏代表FWベンゼマが祝福「奴らはブラボーだぜ」
公式インスタグラムで仏代表イレブンの写真を添えて祝福メッセージ
ロシア・ワールドカップ(W杯)は現地時間15日に行われ、フランスがクロアチアを4-2で下して20年ぶり2度目の世界一を手にした。
若き有望株が一気にその才能を爆発させ、歓喜に沸いた一方で、実力者でありながら“蚊帳の外”となった選手がいる。それはレアル・マドリードの元フランス代表FWカリム・ベンゼマだ。
「世界チャンピオンだ、奴らはブラボーだぜ」
ベンゼマは自身のツイッターアカウントでこう記し、喜びに沸くフランス代表イレブンの写真を添えた。しかし、このツイートはベンゼマと代表の“距離感”とも言える。
ベンゼマは高い技術を備える一方、周囲を生かすポストワークやオフ・ザ・ボールの動きでチームの攻撃を活性化させるタイプのFWだ。所属するレアルでは昨季までウェールズ代表FWガレス・ベイル、ポルトガル代表FWクリスティアーノ・ロナウドとの「BBCトリオ」を形成するなど、世界トップレベルのセンターフォワードと言っていい。
“周りを生かす技術”を取れば、FWオリビエ・ジルー以上にFWアントワーヌ・グリーズマン、FWキリアン・ムバッペらの能力を引き出せたかもしれない。しかし、ベンゼマの代表復帰は、ほとんど閉ざされた道となっている。
前代未聞の事件で代表追放 その方針は欧州選手権に続きW杯でも継続
そのきっかけは2015年にさかのぼる。ベンゼマらはフランス代表で同僚だったMFマテュー・ヴァルブエナのセックスビデオのテープを入手したとして、本人を恐喝したとの容疑で逮捕されるという前代未聞の事件が起きた。
これを重く見たフランスサッカー連盟、そしてディディエ・デシャン監督はベンゼマの代表追放を決断。その方針は準優勝した2016年の欧州選手権に続き、今回のW杯でも継続された。
チームはベンゼマ抜きでも抜群の攻撃力を見せ、大会全体で12ゴールを奪った。母国の優勝は喜ぶべきことだが、その輪に加われずテレビで見つめるしかなかったベンゼマの心中は複雑に違いない。(Football ZONE web編集部)