スイス戦後、吉田(手前)と意見交換する本田。新天地は気になるところだが、現在は日本代表の活動に注力するのみだ。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

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 敵地ルガーノで行なわれたスイス戦で、日本代表は0-2の完敗を喫した。4-2-3-1システムのトップ下で先発した本田圭佑は頻繁に顔を出してはプレーに絡んだが、ゴールチャンスを導くには至らず。不本意なパフォーマンスに終始した。
 
 試合後のミックスゾーンで本田を待ち受けていたのは、スイスの隣国イタリアの報道陣だ。2016-17シーズンまでACミランのナンバー10を背負った男を呼び止め、現在のミランやかつての“恩師”へのインプレッションを問いかけた。本田はにこやかに応対し、英語で質問に答えた。イタリア紙『Corriere dello Sport』などが伝えている。
 
「ミランはシーズンを通してすごくチーム力を高めたと聞いてます。(ジェンナーロ・)ガットゥーゾ監督が、たとえ何試合かに負けても選手たちに自信を植え付けた結果でしょうし、僕がずっと大事だと言っていた部分。来シーズンはもっといいプレーができるんじゃないでしょうか」

 
 ミラン在籍時に本田の能力を買い、重用していたのが元イタリア代表FWの“ピッポ”こと、フィリッポ・インザーギ監督だ。現在はセリエB(2部)のヴェネツィアで指揮を執っている。昨シーズン3部で優勝を飾り、今シーズンは5位に躍進。6月11日には昇格プレーオフ準決勝(パレルモ戦)の第2レグを戦う予定で、このトーナメントを制すれば、A昇格が決まるのだ。
 
「インザーキはちょうど僕がいた頃の監督で、たくさんのことを学ばせてもらった。本当にあのシーズン(2014-15)は楽しかったし、是非ともヴェネツィアにはA昇格を果たしてほしい」
 
 そして本気か冗談か、こう話してイタリア人記者たちの爆笑を誘うのだ。
 
「僕はフリーの身ですからね。またインザーギの元に戻ってトレーニングをするかもしれない(笑)。ただワールドカップが終わるまでどこが新天地になるかは分からない。終わったらすぐに決めようとは思っています」
 
 2017-18シーズンの本田はメキシコ・パチューカで大いに存在を示し、公式戦32試合に出場して10得点・7アシストと気を吐いた。しかし現行契約は6月末で満了となり、いわゆるボスマン・プレーヤーとなるのが確実。移籍金ゼロで活躍の場を移すと目されている。

 
 はたして日本サッカー界が誇るカリスマは、電撃的にセリエA復帰を果たすか。MLS(メジャーリーグサッカー)やオーストラリアのAリーグ、リーガ・エスパニョーラなど、本田の周辺ではさまざまな噂が渦巻いているが、カルチョ行きの可能性も決してゼロではないだろう。
 
 いずれにせよ現在は、課題山積の日本代表での活動に注力する。西野ジャパンは6月12日にパラグアイと最後のテストマッチを消化し、同19日、運命のグループリーグ初戦(コロンビア戦)を迎える。