浦和GK西川は、甲府戦の“空白のセットプレー”に苦言を呈している【写真:Getty Images】

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ルヴァン杯プレーオフステージ第1戦で黒星 対応遅れを招いた“魔の給水”

 浦和レッズは2日に行われたルヴァンカップ・プレーオフステージの第1戦、給水中にマークが遅れてヴァンフォーレ甲府にゴールを奪われる失態を犯してしまった。

 敵地で0-2と敗れた試合後、GK西川周作は「守備陣にとって水を飲む時間ではない」と厳しい表情で語った。

 J2所属ながらプレーオフステージまで進出した甲府に対し、浦和は立ち上がりからピリッとしない内容だった。オズワルド・オリヴェイラ監督も「セカンドボールを取れないことで、重要な時間帯に支配された」と振り返った試合で、最初の失点は警戒していたセットプレーだった。

 選手たちは甲府のセットプレーが注意点だと、試合前のスカウティングで把握していたという。しかし前半37分、甲府に初めて巡ってきたコーナーキックのタイミングで浦和の選手たちは数人が給水ボトルを取りにゴール脇に固まってしまった。

 その隙に、甲府はショートコーナーで素早くスタートする構えを見せた。浦和の選手たちは対応が遅れ、慌てて二人がキッカーのところに寄せようとしたもののボールは難なく中央に入り、攻撃参加したDF今津佑太にヘディングシュートを決められた。


「僕自身もしっかり味方を動かせば失点していなかった」

 守護神の西川は、失点シーンについて厳しい言葉を残した。

「甲府にはショートコーナーもあるという話があったなかで、1本目というのは気をつけなければいけないところ。守備陣にとって水を飲む時間ではない。僕自身も、もっとしっかり味方を動かせば失点していなかった。基本的なことで、相手の方が勝っていた試合になってしまった」

 先制点を与えたことで、浦和のポゼッション時には5-4-1で守備ブロックを作る甲府にとって狙い通りの試合展開にしてしまった。これまでJ1で対戦した際にも手を焼いてきた形に自らハマり、“勝負どころ”を見失っていたのは明らかだった。

 西川は「去年もACL(AFCチャンピオンズリーグ)で、2点ビハインドから1失点もできない試合を逆転してきた。それを思い出してもらえるような第2戦にしたい」と、ホームでの逆襲を誓った。

 9日の試合でアウェーゴールを許せば、4得点以上が必要になる苦しい状況を自ら招いた浦和は、J1の意地を見せてベスト8進出を果たすことができるだろうか。


(轡田哲朗 / Tetsuro Kutsuwada)