カリウス・ウォーク・アローン…失意の守護神に同僚は救いの手差し伸べず

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▽リバプールは26日、チャンピオンズリーグ(CL)決勝でレアル・マドリーとキエフのオリンピスキ・スタジアムで対戦し、1-3で敗れた。

▽13年ぶり6度目の優勝を目指したリバプールだったが、前半半ばのエースFWモハメド・サラーの負傷交代というアクシデントに見舞われると、後半立ち上がりにはGKロリス・カリウスのスローイングミスからFWカリム・ベンゼマに先制点を許す。その後、FWサディオ・マネのゴールですぐさま追いつくも途中出場のMFガレス・ベイルに圧巻のオーバーヘッドシュートを決められて勝ち越しを許す。さらに、試合終盤にはベイルの無回転のミドルシュートをGKカリウスが弾き損ねて再びネットを揺らされ、最終的に1-3の敗戦を喫した。

▽2連覇中の王者相手に屈して13年ぶり6度目の優勝を逃したリバプールだったが、それ以上にサポーターを失望させたのが、カリウスに対するチームメートたちの対応だったようだ。イギリス『サン』が伝えている。

▽同試合後、2失点に絡む痛恨のミスを犯したカリウスは自身の責任を痛感しピッチに倒れ込んで全く動けず。しかし、数分経っても失意のどん底に陥った守護神に対して、声を懸けに行くチームメートは1人もおらず。そして、カリウスの様子を心配して最初に声をかけたのは殊勲のゴールを決めたベイルやレアル・マドリーの選手たちだった。

▽その後、チームスタッフや第3GKアダム・ボグダンに寄り添われてようやく立ち上がったカリウスはサポーターに謝罪の挨拶をして回ると、怒りや悔しさをかみ殺したサポーターから慰めと労いの拍手が同選手に送られた。

▽そして、リバプールのサポーターはSNS上を中心にカリウスへ救いの手を差し伸べなかった選手たちの振る舞いを痛烈に非難した。『サン』が伝えた一部サポーターの意見は以下の通り。

・「レアル・マドリーの選手たちはカリウスの下に寄ってきたが、リバプールの選手は誰も彼の近くに行かなかった」

・「ほとんどのリバプールの選手はカリウスを慰めに行かなかった。それは“You'll never walk alone(君は一人じゃない)”の精神に反するものだ」

・「カリウスはレアル・マドリーの選手たちによって抱き起される必要があった。僕の目にリバプールの選手の姿は映らなかった。それは本当に悲しいことだ」

・「もちろん、カリウスのプレーは酷かった。だけど、このチームが試合後に見せた姿を見ると、トロフィーに相応しくなかったと感じている」

・「カリウスが気の毒でならない。彼は涙と共にピッチを去った。そして、レアル・マドリーの選手たちはサポートに来たが、彼の仲間は誰一人近づいてこなかった。それこそ彼の人生において最悪の瞬間だったと思う」

▽もちろん、茫然自失でピッチに座り込む同胞MFマテオ・コバチッチに慰められたDFデヤン・ロブレンら一部選手にカリウスを慰める余裕はなかったかもしれないが、キャプテンのMFジョーダン・ヘンダーソンやMFジェームズ・ミルナーらベテランプレーヤーを中心にすぐさまカリウスへの連帯を示す必要があったはずだ。

▽チームとしての一体感に加え、敗者への心遣いを見せた王者レアル・マドリーとは対照的に、カリウス1人に敗戦の責任を押し付けたようにも見えるリバプールの選手たちの姿は、悲願のCL制覇を達成できなかったこと以上にサポーターを失望させたようだ。