日常的なことなのに、人から教わることがあまりない「おしりの拭き方」。デリケートなおしりは、かゆみや痛みなどの問題が生じやすい場所であり、間違った拭き方が原因となることもあります。普段あまり人には聞けない、おしりの拭き方についてご紹介しましょう。

おしりの拭き方に決まりがあるわけではないけれど…

おしりを拭くのに決まりがあるわけではなく、小さい頃からの習慣がそのまま続いていることが多いのではないでしょうか。おしりの拭き方は大きく分ければ、前から拭くか後ろから拭くか、この2つです。拭き方には男女差があり、男性の65%が後ろから拭くのに対し、女性では40%が前から、30%が後ろから拭くというデーターもあります。前からか後ろからか、どちらが正しいともいえず、自分がやりやすい方法ですれば良いのですが、2つほどおしりを拭く際のコツとして押さえておきたいことがあります。それは便に含まれる大腸菌などの菌が局部に入り込まないようにすること、そして拭きすぎて皮膚や肛門を傷めないようにすることです。

基本は前から後ろに向かって拭く

排尿・排便後にお尻を綺麗にすることは大切なことです。特に便の拭き残しはかゆみの原因となりやすく、炎症を起こすこともあります。排便の際には途中でやめず全て出し切ってしまうように意識することも大事であり、そうすることでお尻の手入れが楽になります。
さて、おしりの手入れのコツですが、排便後は必ず前から後ろに拭くようにしましょう。便は大腸菌などの菌を含んでおり、これらの菌が尿道やデリケートゾーンから入り込み、膀胱炎などの様々な病気を引き起こすことがあるからです。

それから拭くときはできるだけ便を取り除くようにしますが、決して紙でこすらず優しく拭くようにし、肌や肛門を傷つけないようにしましょう。便がどうしても残りやすい場合は、おしり用の流せるウェットティッシュを使うと便利です。赤ちゃん用でも代用できます。

加齢とともに起こりやすい問題も

加齢とともに筋力が落ちるのは肛門も同じこと。知らない方が多いかもしれませんが、排便の際は直腸の粘膜が肛門から出てきて、また戻るようになっているそうです。若いうちは自動的に粘膜が直腸に戻りますが、年を重ねるうちに戻りづらくなっていきます。粘膜が出たままお尻を拭いていても、なかなか綺麗になりにくいので、お尻を拭く際には、一度おしりの穴を閉めるようにすると粘膜が戻りやすくなるそうです。粘膜が出た状態で拭いたりウォッシュレットを使用したりすると粘膜を傷つけてしまい、痛みを生じることもあるようです。

お尻の話はタブーとされ忌み嫌われることもありますが、かゆみなどの問題が起こりやすく、きちんと手入れをしておきたい場所です。乱雑に扱うことなく、丁寧にお尻を拭くようにしましょう。


writer:Akina