このように韓国のロシア・ワールドカップ進出に関心が集まるなか、同日に行なわれた日本対サウジアラビアの試合結果についても韓国では報じられている。
 
 どちらかと言えば、サウジアラビアが日本を破ってロシア行きを決めたことに重心を置く報道が多く、「サウジ、日本に1-0で勝利…アジア圏最後のロシア行きチケット」(『ソウル新聞』)、「日本を下したサウジ、4回目のワールドカップ本戦行き」(『スポーツ京郷』)、「サウジ、日本に1-0勝利…12年ぶりにワールドカップ本戦進出」(『OSEN』)といった見出しが並んでいるが、試合内容について詳しく報じるメディアもあった。
『朝鮮日報』は「ワールドカップ最終予選、サウジはライバル日本を破り本戦進出」と題した記事で、「この日の試合で日本は、ディフェンスを固めてサウジの猛攻を遮断、ゴールを守ることに集中した」と報道。岡崎慎司が決定的なチャンスを作るがシュートにつなげられなかったとしながら、「対してサウジは冷静にビルドアップを始めて反撃に転じて勢いを増していった」と分析している。
 
 また、「“アル・ムワッラドがゴール”サウジ、日本に1-0勝利…本戦直行」と報じた『InterFootball』は、「この試合で日本は、第9戦で欠場した岡崎と本田がスタメン出場し、原口と柴崎も先発で出場して攻撃を手助けした」と4選手の活躍にスポットを当てている。
 
 ちなみに、課題山積の韓国にとっては今後の日本の動向も気になってしまうのか、前出の『sportal korea』は「日本、ヨーロッパ遠征4連戦でロシア・ワールドカップに向け戦力強化」とウズベキスタン戦直後のタイミングで日本のスケジュールについて伝えている。
 
 紆余曲折を経てワールドカップ本大会進出を決めた日本と韓国だったが、両チームが来年の本番までにどのような成長を遂げるのか引き続き注目したい。

文:慎 武宏(スポーツライター)
 
シン・ムグァン/1971年、東京都生まれ。韓国サッカー取材歴20年。近著に歴代コリアンJリーガーへのインタビュー集『イルボン(日本)はライバルか 韓国人Jリーガー28人の本音』(ピッチコミュニケーションズ)。

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