前に出てきたキム・スンギュの動きをよく見て、完璧なタイミングで右にかわし、右足でゴールに流し込んで決勝点。金崎が決めれば、鹿島は必ず勝つ。写真:佐藤 明(サッカーダイジェスト写真部)

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[J1第21節] 神戸 1-2 鹿島/8月9日/ノエスタ/19,039人
 
 鮮やかな決勝弾だった。
 
 86分、レアンドロが前を向いてボールを収めるや、金崎夢生は神戸の最終ラインの背後に走り込む。そこにスルーパスが届くと、相手GKとの1対1を制し、右足でゴールに流し込んだ。
 
「GKが出てきてたんで、外して、こう」
 
 ジェスチャーを交え、簡潔な言葉で解説する。さも簡単なプレーだったかのような口ぶりだが、前に出てきたキム・スンギュを右にかわすタイミングは完璧で、改めて勝負どころでの決定力の高さを証明する会心のゴールだった。
 
 金崎は0-1で迎えた69分にも、左サイドを縦に突破した鈴木優磨のクロス→中村充孝の落としから、狙いすましたシュートでネットを揺さぶっている。キム・スンギュが一歩も動けなかった見事な一撃だった。
 
 殊勲の2発を決めたエースは、この試合でも、いつものように泥臭くボールを追いかけ、推進力あるドリブルで相手を押し込めば、精力的なプレスバックで守備面でも小さくない貢献を示す。
 
 攻守にフル回転の働きを見せた金崎は、これでリーグ戦では8ゴール目を記録。そのすべてがチームの勝利に結びついている。背番号33が決めれば勝てる――やはりこの男は、常勝軍団には絶対に必要だ。
 
取材・文:広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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