企業秘密の「Mチップ」が摩耗しても性能をキープ

 日本ミシュランタイヤは、スタッドレスタイヤの新製品「MICHELIN X-ICE3+(ミシュラン エックスアイス スリープラス)」を発表した。発売は8月1日からとなる。

 1982年に日本市場でスタッドレスタイヤを発売したミシュランは、現在までに10モデルを投入。X-ICE3+で11モデルめになる。その実力は市場で確実に評価され、「J.D.パワー冬用タイヤ顧客満足度調査」では、2004年から2015年まで12年連続で、顧客満足度No.1を獲得しているという。

 さて、新製品のX-ICE3+だが、従来製品のX-ICE3に対し、新たに新コンパウンドの表面再生ゴムが採用されている。

 とくに冬の走行で危険が多く、ドライバーが怖さ感じる路面がアイスバーンだ。アイスバーンで滑る原因はその表面に水膜ができることにある。X-ICE3+ではこの水膜を除去するために、接地面に無数の小さな穴が空いているのだが、当然走行を続けて表面が摩耗すればこの表面の穴はなくなってしまう。

 だが、次々と穴が表れるようにコンパウンド内部に穴を空けておけば常に表面に穴が現れることになる。しかしこれではタイヤのブロック剛性(接地面付近のゴムの強度)が下がってしまい、例えばドライ路でフワついたり、ハンドリングが悪化するなどの現象が起こる。

 それを解決したのが表面再生ゴムに用いられたMチップだ。内部の穴を埋める形で詰められているMチップは、表面に出てきた時点で溶け出るため、穴が形成される。表面に出るまではしっかりと詰まっているのでブロック剛性が確保されるという仕組みだ。

 このMチップ、詳細は企業秘密とのことだが、自然界に存在する素材なので、溶け出ても人体や環境には影響がないという。


それ以外のテクノロジーは、従来品のX-ICEと共通だ。代表的な項目を紹介しよう。

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表面に空けられた大きめの穴で水膜を除去する役割をもつ。
▲ロスZサイプ
路面をワイドに捉えることでグリップを確保。
ZigZagマイクロエッジ
エッジ効果を高めて氷の面にしっかり食い付く。
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さまざまな方向にサイプを入れることで加速、減速、コーナリングなどあらゆるシーンでのアイスグリップを確保する。

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広い接地面積と均一な接地面圧を実現してアイスグリップとアイストラクションを確保。また均一の接地は偏摩耗を抑制してロングライフ化も実現する。

 あらたな氷面再生ゴムの採用による効果は、従来品のX-ICE3に対して新品時のアイスグレーキング性能で4.5%向上、摩耗時のアイスブレーキング性能では11.5%も向上している。

 さて、ミシュランはフランスのタイヤメーカーだ。しかしご存じない方もいるだろうが、世界に数ある開発場所のなかでも、基礎開発から行う主要開発拠点はフランス、アメリカ、そして日本の群馬県にあるのだ。そして今回のX-ICE3+も群馬県の太田市で開発が行われ、北海道の士別でテストが実施されている。つまり、単に欧州のタイヤを日本へ導入したのではなく、日本の気候、路面状況に適したタイヤとなっているのだ。

 発売は日本と中国で行われる。気になるサイズ展開だが、15インチから18インチで全15サイズ。従来品のX-ICE3も販売は続くので、サイズがない車種のオーナーはコチラが選択可能だ。

 また、同時にもう一本新製品が登場する。「MICHELIN AGILIS X-ICE(ミシュラン アジリス エックスアイス)」だ。これは商用車用にリリースされるスタッドレスタイヤで、サイズは195/80R15LT 107/105のみ。そう、トヨタ ハイエース、日産キャラバン用にタイヤである。

 こちらには乗用車用X-ICE3のマイクロポンプ、クロスZサイプ、ZigZagマイクロエッジ、マックスタッチなどの技術を採用。さらにコンストラクション自体を強固にすることで、商用車の過酷な使用条件に対応している。また、速度レンジの「R(170km/h)」は、今後の日本における高速道路制限速度引き上げを睨んでのものだという。


この2本の新作タイヤ、今冬、スタッドレスの買い替えを考えている方は、ぜひ注目してほしい。