アジア選手権決勝進出を決めた平野美宇【写真:Getty Images】

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アジア選手権、世界1、2位を連続撃破の快挙「ハリケーン・ヒラノ、再び衝撃」

 卓球のアジア選手権(中国・無錫)は15日、女子シングルス準決勝が行われ、平野美宇(エリートアカデミー)が世界ランク2位の前回覇者・朱雨玲(中国)を3-0で破り、決勝進出。前日14日の準々決勝で下した世界ランク1位でリオデジャネイロ五輪金メダルの丁寧(中国)に続く連続金星で、初優勝に王手をかけた。国際卓球連盟(ITTF)の公式サイトは「ハリケーン・ヒラノが再び衝撃」と速報している。

「ハリケーン・ヒラノが再び衝撃、ディフェンディングチャンピオンの世界2位・朱雨玲を破る」との見出しで報じた記事では、準々決勝でリオ五輪金メダルの丁寧を破った平野について「旋風を起こす17歳、ミウ・ヒラノは、今日も世界ランク2位の朱雨玲を準決勝で破った。朱雨玲を破った平野の一戦は、人々に驚きを与える3-0という結果だった!」と記述。「驚き」のフレーズを使い、連続金星を伝えている。

「今日勝つことができて、とても、とてもうれしいです。朱雨玲選手はとても手強いですが、そんな彼女を破って決勝に進むことができて興奮しています」

 本人のコメントを紹介し、「日本からの新星は今日、眩いばかりの活躍を見せた」とつづっている。

 一方、敗れた前回覇者の朱雨玲は「最初の3ストロークで上手くプレーできなかった。第2ゲームでリードしている際も、彼女のサーブを上手く受けることができなかった。自分のペースで試合をコントロールするということがとても難しかった。彼女のプレースタイルのせいで、攻撃に転ずることもできなかった」と話したといい、記事では朱雨玲撃破の要因は平野のサーブにあったと分析している。

 また、ITTFのエディターを務めるイアン・マーシャル氏のコメントも紹介し、中国の卓球界に衝撃を与えたことを伺わせている。

新星が起こした波紋「中国選手を目を覚まさせることになる」

「最後に中国のトップ選手が外国の選手に負けたのはいつでしょうね? おそらく1993年、ヨーテボリで玄静和(韓国)がワールドチャンピオンになった時以来でしょうか。これは中国選手の目を覚まさせることになりますよ」

 日本の新星が果たした快挙による波紋は、すさまじいものがありそうだ。

 平野を巡っては、14日の準々決勝では世界ランク1位でリオ五輪・金メダルの丁寧(中国)を2セット先取されながら3-2の逆転で撃破。大金星は国際連盟サイトはもちろん、他国でも驚きをもって報じられていた。

 シンガポール地元紙「ザ・ストレーツ・タイム」電子版は「2つの衝撃的な結末が起こった。男子と女子のNO1、馬龍と丁寧が韓国のジョン・サンエンと日本人のミウ・ヒラノにベスト32と準々決勝でそれぞれ敗れた」、シンガポール地元紙「ザ・ニューペーパー」電子版も「今大会でショッキングな結果は昨日17歳の誕生日を迎えた日本のティーンネイジャー、ミウ・ヒラノによってもたらされた。小さなダイナモは中国のトップシード、丁寧に対して2セットダウンから逆転勝利を挙げた」と速報していた。

 前日に誕生日を迎えたばかりの日本の17歳が、アジアに衝撃を与えた世界1位撃破に続く、連続金星。96年の小山ちれ以来、日本勢21年ぶりのアジアの頂点へ、あと1勝に迫った。