ストーカー被害を受けていた仮面女子・桜雪さんが「NEWSな2人」に出演(写真は2016年4月撮影)

写真拡大

アイドルグループ「仮面女子」の桜雪(さくら・ゆき)さん(24)が、殺害予告をツイッター上で受けたストーカー事件後に変化した日常生活を「NEWSな2人」(テレビ朝日系)で明かした。

警察が自宅周辺をパトロールして警戒にあたっているほか、自身も周囲の音が聞こえなくなるイヤホンは路上でつけるのをやめ、「なう」といった居場所が推測されるようなツイートもやめたという。

ツイッターで「写真を舐めた」「妊娠させたい」

桜さんは2016年11月21日、ツイッター上で男から「殺す」と殺害予告を受けた。男は所属事務所から出入り禁止とされたが、同月23日にライブ会場に現れ、暴れてスタッフに全治2週間のけがを負わせたため逮捕された。桜さんは同月26日に会見を開き、犯人は当時の約1年前から自身のファンで顔見知りだったことや、ツイッター上で以前からつきまとわれていたことなどを明かしている。

桜さんは17年2月11日未明に放送された「NEWSな2人」に出演し、このストーカー事件を振り返った。

「最初は『ずっと応援してる』『大好き』と書き込んでいたのが、私が『他の仕事でライブお休みします』と告知ツイートをしたら『もう辞めろ』『消えろ』『死ね』って、怒ったようなことを書き込むようになって...。かと思えば、その次の日に『結婚しよう』『写真を舐めた』『妊娠させたい』とかセクハラや過激な言葉になりました」

こうした経緯を聞いた番組司会の小山慶一郎さん(32)は犯人の心理を、こう推測した。

「その方にとっては生きがいだったんだ。それ(ライブ)を休まれちゃうと、これからどうやって楽しんでいくかっていうのが無くなっちゃうし、怒りに変わってしまったんでしょうね」

小山さんが続けて「『やめてください』みたいなメッセージは送ったの?ツイッターで」と聞くと、桜さんは「刺激を与えない方がいいのかなと思って」との理由から、直接注意はしなかったという。

一方、番組によると、犯人はすでに社会に出てきている。司会の加藤シゲアキさん(29)は「怖いね」と眉をひそめ、小山さんは「(犯人が)出てきてから何かあった?」と尋ねると、桜さんは現在について明かした。

「その方(犯人)と分かるものがない。SNSでは匿名で接触しようと思えばいくらでもできるので。もし何かあったら...という気持ちが強くなって、自分が今いる場所が特定できるようなコメントや写真を投稿しなくなりました。『なう』と言わなくなりました」

帰り道で異変に気付けるように「イヤホンつけて歩かない」

桜さんは現在、仕事からの帰り道や街中で、ちょっとした異変にすぐに気付けるよう「イヤホンつけて歩かない」という。また、

「自宅の周りは警察の方が1日数回パトロールしてくれて、『異状ありませんでした』というメモを投函してくれるようになっています」

と話した。番組スタジオには、実際に投函されたという警察からのメモが複数枚登場。「付近一帯をパトロールしました」「異状ありませんでした」という項目にチェックがつけられている。異状があった場合のため「再度伺わせていただきたいと思います」との項目もあったが、番組に映された15枚の中でチェックされたものはなかった。

また、メモには投函の日付と日時も記載されており、「1月14日」と書かれた日は4枚、朝から深夜までさまざまな時間帯のメモがあった。桜さんによると

「パトロールの時間帯はバラバラで、パターン化しないようになっている」

と24時間万遍なく見回りしているようだ。番組に出演した一般社団法人・日本防犯学校の河野保治講師は「警察が定期的に(桜さんの)周辺をまわっているのが犯人に対する抑止効果になる」と話していた。

事件後も桜さんが安心しきれない生活を続ける内容が放送され、ツイッターでは

「こういう被害にあった人が安心できる社会を完璧にってのはほんとに難しいと思うけど、安心して日常生活をおくれるぐらいいろんなサポートがあればいいなと思う次第です」
「うちの娘にも自分も、絶対、ツイッターもLINEも知ってる知らない問わず、顔写真と本名はアップしないようにって、口酸っぱく言ってます」

といった投稿が出ていた。

桜さんはアイドルグループメンバーとしては異色の東大卒で、東京都の小池百合子知事が立ち上げた政治塾に参加していることでも話題になった。