「スーモ」で売ってます(2017年1月12日撮影)

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あなたは「50億円の豪邸」と聞いて、何を想像するだろうか。そこかしこに吊るされたシャンデリア、大理石を惜しげもなく使った内装、舞踏会でも開けそうなほど広い部屋、美しいらせん階段......

そんな条件を備えた大豪邸が、東京・駒込にある。13LDKという豪華な間取りで、新築「未使用」。しかも、不動産サイトで売りに出されており、ネット上で驚きの声があがっている。

ヨーロッパ製の家具、照明器具が完備

「大和郷に佇む世界各地の大理石をふんだんに使用した耐震構造100年の長期優良住宅。ヨーロッパ最高級の家具・調度品を備え付けた大使館さながらの室内」

リクルートの運営する不動産ポータルサイト「suumo」(スーモ)の物件ページに、こんな紹介文がある。ページの公開日は2017年1月9日と、つい数日前だ。

紹介されているのは、東京・駒込にある947平方メートル、13LDKの新築1戸建て(2015年12月築)。価格はズバリ、47億5000万円。サイト内検索をしても、文京区内にある他の新築1戸建てで最も高く、2位の「5億6000万円」を引き離していた。

思わずひるむ額だが、掲載写真を見る限り、城や宮殿と見まがうほどの豪華さだ。

大理石や漆喰で埋め尽くされた床、天井。美しいカーブを描くらせん階段やバーベキューもできる広い中庭も見どころだ。

さらに、イタリアやイギリス、スペイン製の家具や照明器具、果てはオーストリアの老舗ピアノメーカー「ベーゼンドルファー」のピアノやビリヤード台まで完備しているという。

「支払シミュレーション」→1か月1700万円35年プラン

贅を尽くしたこの物件は1月11日ごろから早速、ツイッターで話題となった。

「宝くじが当たっ......ても買えねーよ」
「文京区が買って美術館か何かとして運用すべき」

と驚きの声が相次いでいる。

せめて外観だけでも見たい、と記者は11日に現地を訪れた。駒込駅(JR、東京メトロ)を降り、都道455号線をまたぐ。都立庭園の「六義園」にぶつかれば、塀沿いに南西方向へ歩き、「文京学院前」交差点を目指す。交差点前の閑静な住宅街の一角に物件はあった。大理石で作られた白い外壁は美しく、ときおり太陽の光に反射して艶めく。門構えや窓のデザインは、宮殿を連想させる重厚さだ。「白亜の殿堂」という言葉を思い出した。

周囲には瀟洒な1戸建て群、目の前に六義園といった贅沢な環境に加え、紹介ページに「JR山手線『駒込」』歩6分」とある通り、駅へのアクセスも抜群だ。

帰路にスマホで、ページ下にある「支払シミュレーション」を何気なくクリックすると、25年、30年、35年のローン返済プランが表示された。最長の35年だと、1か月の支払額はおよそ1700万円になるそうだ(頭金なし、年利2.8%の場合)。