ブラック企業大賞に電通、「過酷で人権侵害の状況を放置し続けてきた」
長時間労働やパワーハラスメント(パワハラ)などを従業員に強いる悪質な企業や法人を選出する「ブラック企業大賞2016」の授賞式が12月23日、都内で開かれ、新入社員が長時間労働の末、過労自殺した電通が大賞に選ばれた。選考理由として、「過酷な状況を放置し続けてきた。日本を代表する人権侵害の企業だ。強い怒りを込めて授与する」と読み上げられた。
ウェブサイトでの投票数で選んだ「WEB投票賞」には、2011年以降パワハラによる自殺が相次いだ日本郵便が選ばれた(5958票)。日本郵便は特別賞にも選ばれた。また、ブラックバイト賞には、元従業員がアルバイト学生を殴るなど刑事事件にも発展したDWE JAPAN(「しゃぶしゃぶ温野菜」FC企業)が選ばれた。
ブラック企業大賞は、ジャーナリストや弁護士でつくる実行委員会が、日本の労働環境を改善する活動の一環として、2012年から毎年開いており、今年で5回目。労働法などに抵触したり、またはその可能性があるグレーゾーンな条件や、パワハラを従業員に強いる体質の企業や法人を「ブラック企業」として定義している。
今年のブラック企業大賞には、エイジス、電通、ドン・キホーテ、プリントパック、関西電力、佐川急便、サトレストランシステムズ、仁和寺、ディスグランデ介護(「茶話本舗」FC企業)、日本郵便、DWE JAPAN(「しゃぶしゃぶ温野菜」FC企業)の11社がノミネートされていた。
(弁護士ドットコムニュース)