苦しみを乗り越え…諸見里しのぶが出場権獲得!(撮影:上山敬太)

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<女子ファイナルQT 最終日◇2日◇東急セブンハンドレッドクラブ 東コース(6,456ヤード・パー72)>
ツアー通算9勝の実力者が帰ってきた。3年前から悩まされる肋軟骨痛のケガとアレルギー症状により今季は推薦の7試合のみにとどめた諸見里しのぶが、トータル2オーバーの32番目でファイナルQTを通過した。「伸ばしたいと思えば思うほど緊張した」と近年にない精神状態での戦いとなったが、来季はほぼすべての試合に出場可能。2日目に“77”を打ちながらも、3日目、最終日と巻き返した驚異の粘りが報われた。
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最も苦しんだ2015年シーズンは、29試合を戦って予選通過がわずかに7回。春先から夏場にかけては棄権を含む11試合連続で決勝ラウンドに進むことができなかった。賞金シードも失ったが、ケガの影響もありQT出場は断念。今季2016年シーズンはケガとアレルギー症状の快復につとめ、推薦での限定的な出場にとどめた。
ありとあらゆる治療法を試して、一歩ずつケガからの復帰を進めてきた。「体もトレーニングというよりはピラティスとか呼吸を使って体を柔らかくすることをしていきたい」とケガとの付き合い方も少しずつ分かってきた。アレルギー症状も「じんましんとかが続くことはなかったので改善されていると思う」と休養と共に今季は回復傾向を見せておりその表情も明るい。玄米入りのおにぎりを自分で作ってエネルギー補給するなどしたことで体調も上向いてきたのはケガの功名だ。
来季はほぼ全試合に出場することが可能となるが、ラウンドをこなした後には体に違和感が出ることもあるため、春先や秋口など気温が下がる時期のトーナメント出場は見送る可能性もあるという。とはいえ、フル出場権確保は大きな前進。「この1年休んだエネルギーは使い果たしました(笑)でもまた、(開幕戦でホステスプロ)ダイキンオーキッドレディスで優勝をしたい気持ちも強くなってきました」。年間6勝を挙げた09年までさかのぼるツアー優勝。復活への歩みをまた一歩、強く踏み出した。

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