福岡・春日市の小中学校、新評価項目「市民性」導入に賛否...マナーや地域行事への参加で加点
[めんたいワイド- 福岡放送] 2016年9月14日放送の「特報THEスライドショー」のコーナーで、通知表にできる新項目「市民性」について取り上げました。
画像はイメージです(naosuke iiさん撮影、Flickrより)
福岡県春日市の全市立小中学校で今年度から実施するもので、ルールやマナーに関する項目を3段階で自己評価するのが基本ルールになっています。
項目例として、「地域の人へ挨拶をしているか」「地域行事に参加しているか」などがあります。
また、学校によっては保護者や地元住民の評価などを加えるという方法を取るところもあるそうです。
春日市では2学期制を取っているので、この通知表は9〜10月に配布予定となっています。
福岡に住む子供を持つ親はどう思っているのか調査した結果...
春日市が行う「市民性」という評価に対して、実際に子供を持つ親はどう感じているのかを街頭インタビューしてみると、次のような結果が出ました。
・挨拶などは学校で評価するものではなく、家庭でしつけるものなので違和感がある(30代・男性)
・家庭や学校で成長しながら学ぶことなので、評価する必要はない(40代・女性)
・いろんな評価方法があるので、悪いとは思わないが効果があるかは分からない(50代・男性)
・地域の行事に参加しない子供が増えているので、評価するのは分からなくもないが、成績に影響すると半強制のような感じがする(40代・男性)
・いろんな子供がいるのは当たり前。答えを統一化するような評価は好ましくないし危険(50代・女性)
・子供を取り巻く大人こそ市民性を問われるべきではないか(40代・女性)
実際に声を聞くと、あまり共感する声がなく、自己評価といえども子供の個性にランクを付けるのは危ないと感じている大人が多いようです。
春日市の教育委員会は「基本は自己評価なので、これを機に地域と積極的に関わってほしい。通知表に載せることによって、大事なものは学力だけじゃないと保護者にも伝えたい」とコメントしています。
この評価は内申書には反映されないそうですが、「市民性」を通知表に入れることで地域行事に強制的に参加させるのは、少し問題のように感じました。また、いじめを受けている子供や持病のある子供は参加できないので、評価が落ちるというのもおかしなところです。人間性を評価するのは、やはり少し問題があるような気もしました。(ライター:ぴよこ)