SMAP「解散発表前夜の攻防戦」にみるジャニーズの思惑

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 本当にSMAPは終わってしまうのか──港区某所、そびえ立つビルの一角。深夜24時を回っても蛍光灯が眩しく輝くなか、報道陣が1人2人と増えていった。ここはジャニーズ事務所の前である。

 8月14日未明に発表されたSMAP解散発表。スポーツ紙は全て一面でこのニュースを報じ、お盆の日本を騒がせたことは周知の通りだ。これだけの重大発表のタイミングに、木村拓哉(43)はハワイでバカンス中だったという。なぜ不在なのだろうか。メンバーは話し合っていたのだろうか──様々な疑問が残るが、「発表の前日はかなりピリピリしていた」と語るのは週刊誌記者だ。

「この日は朝からかなりマスコミを警戒していました。マネージャーが事務所周りに止まっている車を全てメモ。SMAPの車をあえて事務所から出し、六本木や麻布十番を回って事務所に戻る。隠れている報道陣をあぶり出すためのフェイントです。もともとジャニーズの運転手はかなりの凄腕が集まっていると有名ですが、この日は本当に追いかけるのも一苦労でした」

 しかし今、週刊誌業界で話題になっているのは追いかけの難しさではない。なぜ8月14日だったか、という点だ。

■事務所が死守する「キムタクのイメージ悪化」

 前出の記者が語る。

「発表した日、世間はリオオリンピックで盛り上がっている時期でした。天皇陛下の生前退位はオリンピックに被らないようにと気を使って放送日が組まれたが、SMAP解散発表にその配慮は微塵も感じられません。むしろ逆で、事務所側の『なるべく話題にならないように』という策略にも思えます」

 ジャニーズの策略は時期だけではない。前述したように、木村の不在もさることながら、13日から発表した14日にかけて香取慎吾(39)が出演する『SmaSTATION!!』(テレビ朝日系)が生放送された。

「放送終わりの発表で、香取に取材陣が集まるのは目に見えています。これも木村を守るための作戦に思えますよね。香取の『俺は25周年コンサートをやらない』という発言のリークもそうですが、あえて香取を“悪者”として扱うことによって、これ以上木村のイメージダウンを防ごうと考えたのでは」(前同)

 今年の始まりから続いたSMAP解散報道。一時収束を見せたにもかかわらずここでの解散発表。今後何かまた動きがあるかもしれない。

文・佐々木浩司(ささき・こうじ)※1980年群馬県生まれ。スポーツ誌の契約記者を経てフリーに。現在は主に、週刊誌やビジネス誌で活動中。得意分野は芸能、プロ野球、サッカーなど。主な著書に『洗脳のすべて』(宝島社)など。