「スマホ子守」は絶対ダメなの? スマホに子守をさせるとイケナイ理由

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最近、「スマホ子守」という言葉を耳にするようになった。スマホを乳幼児に与えて子守をさせると言うことらしい。確かに、最近電車の中や街中で、小さな子どもがスマホをいじっている姿をよく見かけるようになった。

こうした風潮に対し、日本小児科医会が「スマホに子守をさせないで!」というポスターを作成した。
そのせいもあるのか、スマホ子守はイケナイ事というイメージを持っている人も多い。

では、なぜ
「スマホ子守」はダメなのだろうか?
何が悪いのだろうか?

●スマホ子守が子どもに与える影響とは

・スマホ依存症
大人でも問題となっているスマホ依存症。子どもにとってもそれは同じだ。
それどころか夢中になりやすい子どものほうが、はるかに危ないのかもしれない。
常にスマホを欲しがり、与えられないとかんしゃくを起こしたりするようになれば、これはもう子供であってもスマホ依存症といっても過言ではないだろう。

・視力低下
スマホは、同じ距離で小さい画面を長時間見ることが多くなる。
そうなると、目の筋肉が固定された状態が続き、視力低下の原因となってしまう。

・運動不足
本来、好奇心が旺盛な子どもは成長するに従って、いろいろなものに興味を持ち、活発に動き、目が離せなくなるくらいあちこち行ってしまう。

しかし、スマホに興味が移ってしまうと、とたんに動かなくなってしまう。
携帯ゲーム機でも同じ現象が発生すると言われているが、せっかく公園に行っても、座ったまま画面に釘付けなんてことも。
こうなると、子供の成長に影響する運動不足も心配になる。

・五感への影響
乳幼児は、なんでも触り、時には口に入れたりしながら、さまざまな感触を体感する。手や身体を動かして五感をはぐくむ時期だ。
こうした時期にスマホばかりを触っていると、実際に物をつかんだり、触れたりする機会が減る。五感の発達への悪影響が心配される。

・言語発達の遅れ
子どもは親やほかの人たちと会話などで、相互にコミュニケーションを取りながら成長していく。しかし、スマホから与えられる刺激は一方的なものだ。
会話をしなくなれば、言語発達にも遅れが出てくるだろう。

このように、スマホ依存症や視力低下などは、大人でも問題とされている。
これらも問題だが、乳幼児の場合は、さらにそこに「感覚器官への影響」、「脳の成長への影響」といった、発達に関する問題も加わってくる。
よりいっそう気をつけなくてはならないだろう。

●スマホ子守は絶対ダメなのか?
では、スマホは子どもにとって絶対悪なのだろうか。
昨今では、学校などの教育現場でもタブレットが使用されるようになってきている。
幼児向けの通信教育でもタブレットが主流だ。
手軽にスマホでも利用できる塗り絵や計算、パズルなど、学習型のアプリもたくさんある。

脳の発達に良いと言われる使い方もあり、決して「スマホは悪い」という単純なものではないはずだ。

また、外出先などで子どもが騒ぐのを防いだり、落ち着かせたりするのにも、スマホは有効だ。
ほとんどの親は、外出時に子どもが騒いで肩身が狭い思いをしたことがあるだろう。また、よその子どもが泣いたり、奇声を発したりするのを「うるさい」と思ったこともあるはずだ。そんなとき、スマホが便利なグッズであることは間違いない。

結局、スマホは心配される悪影響はあるものの、利点も多い。
そして、これだけ日常生活に浸透している現在、まったく子どもに与えないというのも無理がある話だろう。

要はつきあい方、使い方の問題なのだ。
スマホに子守をさせっぱなしにするのではなく、ときどき子守を手伝ってもらうくらいのスタンスや認識をもって利用することが重要なのだろう。