鬱陶しい花粉症に思わぬ効果か?

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アレルギー疾患である花粉症の患者は全死因率(あらゆる死因を含めた死亡率)とがんの死亡率が低い、とする研究結果が東京大学医学部の研究者らによって発表された。

研究は、1993年から群馬県内の2つの地域に住む40〜69歳、8796人を対象に実施されている追跡調査、「こもいせコホート疫学研究」のデータを分析。2000年の住民の花粉症データと、2008年の死亡率の関係を調査するというもの。

その結果、調査期間中死亡した住人は748人おり、内訳は外因性が37人、心血管疾患208人、呼吸器疾患74人、がん329人。花粉症の有無を調べたところ、花粉症患者の住人はそうでない住人に比べ、全死因率が43%低かった。また、がんによる死亡率も52%低下していたという。

研究者らは「花粉症などのアレルギー疾患を持っていると、免疫機能が活発になる傾向があり、それが特定の原因による死亡を防ぐのかもしれない」とコメントしている。

参考論文
Pollinosis and all-cause mortality among middle-aged and elderly Japanese: a population-based cohort study.
DOI:10.1111/cea.12638 PMID:26366720

(Aging Style)