日本のアニメやマンガは世界中で高い知名度を誇るとされ、SNSや海外のイベントでその存在感を目にする機会も増えている。ただし、その人気がそのまま国内の産業に還元されているかと問われると、素直に頷ける人は少ないのではないだろうか。実業家のマイキー佐野氏は、この認知度と収益の間にある大きなギャップに注目し、日本経済が抱える構造的な課題を語っている。
 
オンデマンド印刷を活用した「IPプリント経済圏」という新しい市場の広がりが紹介されるが、人気キャラクターをあしらったグッズを個別に印刷して所有する文化は、世代を超えて支持を集めているという。ただし佐野氏は、海外での市場創出額の規模に対し、実際に制作会社へ還元される割合がごくわずかにとどまっている現状を指摘し、その水準が近年ほとんど変わっていない点を問題視する。
 
背景にあるのは、海外の大手配信プラットフォームへの依存度の高さだという。加えて、熱心なファン層と一般消費者の間に存在する温度差、いわゆる市場拡大の壁をどう乗り越えるかという課題や、親子で楽しむ需要層の購買心理など、産業構造を左右する要素は多岐にわたる。特に、子ども向けの体験を選ぶのは子ども自身ではなく親であるという指摘は、消費の意思決定構造を捉え直す視点として興味深い。佐野氏は投資家としての視点も交え、どのような仕組みが整えば持続的な収益モデルになり得るのか、複製や海賊版のリスクをどう防ぐか、中抜きを行う業者の存在がなぜ障害になるのかについても言及していく。
 
さらに話題は、海外企業の圧倒的なスピード感と、日本企業特有の合議制がもたらす意思決定の遅さの対比にも及ぶ。海外では新しい需要が生まれた瞬間から企画と製造の体制を整える動きがある一方、日本では社内での調整に時間を要しやすいという違いが語られる。市場が拡大しているだけでは意味がなく、利益を国内にどう残すかという仕組み作りこそが本質だと言えるだろう。日本のコンテンツビジネスの将来を考える人にとって、なぜ「稼げる仕組み」が実現しないのかを考えさせられる内容だ。

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マイキー佐野です 経済・金融・投資・経営・最新の研究やニュースなど 様々なテーマについて、ズバズバ切り込んで話していきます~ 2021年より最新の学術理論、経営学、経済学、社会学を紹介するYouTube「マイキーの非道徳な社会学」を開始 現在はアカデミズム関係者・経営者・投資家・学生が参加するビジネススクールも運営