これだけ引きこもるオーストラリアを見るのは、初めてではなかったか。過去に多くの死闘を演じてきたアジアのライバルは、端(はな)から勝利をあきらめているかのように見えた。高い位置からボールを取りに来ず、5枚を並べた最終ラインで日本の攻撃をしのぎきる。ボールを持たれても、クロスを上げられても、何度セットプレーを与えようとも、動じることはない。中央の陣形を保ち続けてさえいれば、ゴールを奪われることは