2012年3月、陸前高田に赴任した在間文康弁護士の眼前に広がっていたのは、東日本大震災の深い傷跡だった。在間弁護士は、弁護士不足で司法へのアクセスが困難な「司法過疎地」で暮らす人たちのために働きたいという志から、震災後に岩手県陸前高田市で新設された公設の法律事務所の初代所長に就いた。弁護士として3年目という駆け出し。被災地で働くことへの不安があったという。しかし、先輩からの後押しや家族の理解、そして自身