前回の東京五輪前年、1963年に台東区の村越吉展ちゃん(4歳)が身代金目的で誘拐、殺害された「吉展ちゃん事件」は、何度もドラマや映画になった有名な事件だ。が、注目されてきたのは主に捜査段階の話で、死刑判決を受けた犯人の時計修理工・小原保(1971年死刑執行)の裁判にはあまり光が当てられてこなかった。小原はどんな人間で、裁判ではどう裁かれたのか。最高裁の上告審で弁護人を務めた白井正明弁護士(80歳)に、当時の