アルバイト情報の「an」などを運営する人材サービスのインテリジェンス(東京・千代田、高橋広敏社長)とコミュニケーションアプリを提供するLINE(東京・渋谷、森川亮社長)は、合弁会社AUBE(オーブ、東京・千代田、上土達哉社長)においてLINEアプリ上で利用できるアルバイト求人情報サービス「LINEバイト」を開始した。

 LINEアプリは日本で約5800万人(2014年時点)が登録する日本最大級のコミュニケーションプラットフォームとなっており、利用者に対する価値を向上させるためオンラインからオフラインへをコンセプトに生活に密着した様々なサービスの展開を模索している。
 
 一方、インテリジェンスが手がけるアルバイト情報の提供は、利用者が学生や主婦など若年層が中心のため情報誌やパソコン上での情報提供からスマートフォン上での情報提供が主体となってきており、スマートフォンの活用による情報提供やユーザー獲得が課題となっていた。
 
 こうした両者の事業強化の方向性が一致したことから、今回の合弁会社設立による「LINEバイト」のサービス開始につながった。

 運営体制はインテリジェンスが求人企業側を担当し、LINEはユーザーの集客、サービス、システムの開発を担当する。合弁会社のオーブはプロジェクトの全体運営、法人や個人に対するプロモーションなどを手がける体制になる。インテリジェンスが運営する「an」に掲載される案件はすべて「LINEバイト」に掲載されるため、利用が進めば「an」の集客力は大幅に強化されることになる。

「LINEバイト」の特徴は、?LINEユーザーであれば追加アプリや新規会員登録が不要で利用が可能となり、気に入ったアルバイト情報があればアプリ内からの応募も可能、?10万件以上の「an」掲載求人情報をすべて「LINEバイト」内に掲載する、?検索履歴を元に週一回「LINEバイト」公式アカウントからおすすめの最新求人情報を配信する、独自のアルゴリズムによってレコメンデーション機能の精度向上を図る、?求人情報をLINEのメッセージ機能やタイムライン投稿によって友達と共有することができるため、求人情報が拡散されマッチングの可能性が広がる、ことなど。

 同社の上土社長は記者会見で、「スマートフォンの利用者は6000万人を超え、アルバイト求人情報サービスの「an」の利用者の約7割がスマートフォン経由となっている。また、若年層の約9割がラインを利用している。アルバイト個人の仕事に対する志向性も多様化しており、「an」の利用者は2008年には『家に近い(地域)、時給(賃金)、シフト(時間)』などを軸に仕事を探していたが、現在は『自分にできそう、服装やルールが厳しくない』など約7割があいまいな仕事探しをするようになっている」とアルバイトを取り巻く市場環境を分析し、「LINEバイト」では仕事や個人のニーズを再定義して効果的なマッチングを目指すと強調した。

 アルバイトをめぐる市場環境は、景気の回復とともに人材不足が鮮明になっており採用計画数を充足できない企業が続出するなど深刻さを増している。今回の新サービスの提供がアルバイトのユーザーの発掘と効率的なマッチングを促進することで、人材需要が拡大する企業にとって頼れる選択肢となることを期待したい。

「日本人材ニュース」Vol.252(2月26日)から一部抜粋して転載
※記事の内容は掲載時点のものです。

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