ジェイ エイ シー リクルートメント(東京・千代田、松園健社長・COO(写真))は2015年度の経営方針を発表した。14年度の業績は、売上高が前年比29.3%増の92億7900万円、営業利益は31.9%増の26億6300万円の好業績となった。

 同社は中期で掲げる経営目標「PPP&I」を達成するために、14年度は「Professionals,Team Value and Expansion(個人はプロに、チームで勝つ、拡大につなげる)」を経営方針として掲げていたが、Professionals(個人はプロに)では求人成約率が目標20%に対し18.8%でほぼ求人10件中1.9件の成約率、人材(登録者)成約率についても目標10%に対し8.8%となりほぼ登録者10人中0.9人の成約率とコンサルタントの生産性向上によって高い成約率を実現させたことが好業績につながった。

 Team Value(チームで勝つ)についてもチームインセンティブ制の導入などで半数以上の部支店で組織目標を達成し、前年比で売り上げを増加させた。

 Expansion(拡大につなげる)では、売り上げに直結するコンサルタント数を13年末の363人から14年末には434人と19.6%増員して組織拡大に成功している。

 この結果、中期目標で掲げる経営指標はそれぞれ、成約決定の一件当たり平均単価(成約手数料)が195万円、コンサルタント一人当たり生産性が目標200万円/月に対し176万円/月、GP営業利益率(売上総利益)29%、事業強化するグローバル求人の国際領域の事業比率56%が13年比で5ポイント増加となった。

14年度の業績を受けて同社では15年度の一部の経営目標を大幅に引き上げ、求人成約率30%(14年度実績19%)、人材(登録者)成約率20%(同9%)、コンサルタント一人当たり月間成約額300万円(同176万円)とする。

 この計画に対し、15年度は「個人はプロに」「チームで勝つ」に加え、「企業価値を上げる」を新たに経営方針として事業を強化する考えだ。

 具体策として、コンサルタント500人以上の体制の確立(15年末に515人)、日系企業の海外関連求人領域でさらなる市場深耕、単価の高額化と複数成約による生産性向上(既存顧客の経営層との関係強化など)、求人案件と登録人材の開拓・獲得策の充実(コールセンターによる求人開拓など)、求人サイトのキャリアクロスの事業成長加速(アジア地域、関西地域の取り組み強化など)を掲げる。
 
 こうした施策により、15年12月期の業績見通しを売上高105億4000万円(13.6%増)、GP営業利益103億6700万円(13.8%増)、営業利益29億3900万円(10.3%増)、経常利益29億4100万円(10.3%増)を達成するとしている。

 12日の決算説明会で松園社長は、「人材業界全体が伸びており、景況感を実感している。14年の第4四半期は求人が過熱した結果、様々な案件を手掛けてしまい一時的にコンサルタントの生産性が下がってしまった。年収の高いミドルから上の領域に対象を絞って、取り組むべき領域をさらに強化していく」と15年度の目標達成への強い意欲を示した。

「日本人材ニュース」Vol.251(2月17日)から一部抜粋して転載
※記事の内容は掲載時点のものです。

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