帝国データバンクの調べによると、発生から4年を迎える東日本大震災による関連倒産が、4年間の累計で1726件となったことが分かった。

 東日本大震災で直接的または間接的な被害を受けたことが取材で判明した企業倒産を同社が集計したところ、4年間の累計で1726件、負債総額は1兆5619億1900万円となった。

 倒産件数を年別で見ると、1年目650件、2年目489件、3年目354件、4年目233件と減少してきているものの、4年目233件は阪神大震災による関連倒産の1年目194件を上回る水準。

 倒産件数を都道府県別に見ると、企業数が多い東京が409件と最多で、宮城146件、茨城94件、北海道と静岡92件と続く。

 業種別に見ると、サービス業380件、卸売業349件、製造業337件、建設業258件、小売業246件と幅広い業種に影響が及んでいる。

 被害区分別に見ると、社屋の倒壊や津波による浸水被害などの「直接的被害」は155件と1割未満。一方で「間接的被害」が1571件で、震災後の自粛・買い控えやキャンセルなどの「消費マインドの低下」(970件)が過半数を占めた。「消費マインドの低下」の被害を受けたことによる倒産は4年目でも155件発生している。

 福島第一原子力発電所事故の影響を倒産要因とするものは4年間の累計で180件となっている。

 直近1年間の倒産事例では、「クラブハウスやコース自体が被害を受けたほか、2011年には来場者数が前年と比べ1万人程度減少したことが、以前からの経営不振に拍車を掛けた」(岩手県、ゴルフ場経営)、「ツアーバス事業において、震災以降、東北方面路線の運行ができなくなったことなどで売上が大幅に減少し、この頃から租税公課を徐々に滞納するようになった」(東京都、高速ツアーバス企画・主催)、「震災発生時、茨城県大洗町に置いてあったトレーラー、シャーシが津波で流され、それ以降毎月赤字続きに陥った」(北海道、貨物自動車運送)などが確認されている。

 調査を行った帝国データバンクは「今後も、東日本大震災をきっかけに大きく財務を毀損した企業を中心として、東日本大震災関連倒産は散発するとみられ、収束には今しばらく時間が必要なようである」と分析している。

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