帝国データバンクが実施した賃金動向に関する企業の意識調査によると、人材確保のために賃金改善を見込む企業が増加したことが分かった。

 正社員の賃金改善(ベースアップ、賞与・一時金の引き上げ)が「ある(見込み)」と回答した企業は、前年調査を1.9ポイント上回る48.3%で、2006年の調査開始以来で最高の水準となった。

 一方、賃金改善が「ない(見込み)」と回答した企業は27.4%で、前年調査を1.6ポイント下回った。

 業界別に見ると、「建設」(51.2%)、「サービス」(49.8%)、「製造」(48.9%)で賃金改善を見込む企業が多く、「大企業」(45.4%)よりも「中小企業」(49.2%)で賃金改善を見込む割合が高くなっている。

 賃金改善の具体的内容では「ベースアップ」(36.7%)が2.7ポイント増となったが、「賞与(一時金)」(27.4%)で0.4ポイント減となった。

 賃金改善が「ある(見込み)」と回答した企業に理由(複数回答)では、「労働力の定着・確保」(68.0%)が前年調査(57.2%)から10ポイント以上増えた。次いで、「自社の業績拡大」(48.0%)、「物価動向」(23.8%)、「同業他社の賃金動向」(20.1%)と続いた。「同業他社の賃金動向」が2割を超えたのは調査開始以来初めて。

 同調査は、1月19日〜31日に、全国1万794社から回答を得た。

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