日本生産性本部が入社から半年が過ぎた今年の新入社員を対象に実施した調査によると、残業時間の長さが入社前のイメージに比べて「予想以上」と回答した割合が3割を超え、調査項目となった2007年以降で最も高くなったことが分かった。

 現在の職場の残業時間の長さについて聞いたところ、入社前のイメージよりも「予想以上」と回答した割合が31.6%で、質問項目となった2007年以降で最も高かった。「予想通り」は47.1%、「予想以下」は21.4%だった。

 「残業は多いが、仕事を通して自分のキャリア、専門能力が高められる職場」と「残業が少なく、平日でも自分の時間を持て、趣味などに時間が使える職場」の2つのタイプを示して希望を選択してもらったところ、残業が少ない職場を好むとする回答が過去10年では2番目に高い70.1%となっている。

 「条件の良い会社があれば、さっさと移るほうが得だ」という設問に対し、「そう思う」と回答した割合が直近10年間の調査で最高の45.3%となった。景気が低迷した2010年の調査では30%を下回っていた(28.3%)が、11年から上昇に転じ今年は2年連続で40%を超えた。

 同本部は今春の入社時点にも同じ調査を行っていたが、その時点では30.9%だった。入社半年で「そう思う」が15ポイント増加した。男女別では、男性49.0%、女性38.8%。企業規模別では、従業員300人以上企業38.8%、同300人未満企業49.0%となっている。

 厚労省が今秋発表した調査では、11年3月大卒の3年後離職率は32.4%。09年3月大卒の3年後大卒離職率は28.8%と2000年以降で最も低い水準となっていたが、景気回復とともに離職率が再び上昇しており、若手社員の定着を課題とする企業が増えている。

 今回新たな設問として「管理職になりたいか」を聞いたところ、女性新入社員の72.8%が「なりたくない」と回答している。男性は34.5%だった。

 管理職になりたくない理由は、男女ともに最も多い回答は「自分の自由な時間を持ちたい」(男性56.2%、女性38.9%)だった。

 調査は10〜12月に今春入社の新入社員234人から回答を得た。

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