エンジニア派遣最大手メイテック(東京・港、國分秀世社長)は2015年3月期中間決算を発表した。主要クライアントである製造大手各社の堅調な技術開発投資を背景にエンジニアの稼働率が高水準を維持し新人の配属も順調に進んだ結果、増収増益となった。

 2015年3月期第2四半期の業績は、売上高393億円(前年同期比9.9%増)、営業利益39億92百万円(同37.3%増)の増収増益となった。老朽化した大型研修施設の減損処理に伴い特別損失約35億円を計上し、四半期純利益は1億94百万円(同88.6%減)。

 主要クライアントである製造大手各社は堅調な技術開発投資を続けており、特に自動車関連での受注が好調だ。産業用機器、航空機や精密機器も伸びているが、エレクトロニクス関連の売り上げは減少した。

 グループ全体のエンジニア社員数は積極的な増員により9月末現在で7909人。前年同期比525人増となり、リーマン・ショック以前のピーク時とほぼ同水準まで回復した。今後も増員を予定し、2017年3月末の目標を8700人としている。

 エンジニアの稼働率は、4月に入社した新入社員のクライアント先への配属が順調に進み、既存エンジニアの稼動にも注力した結果、前年同期を上回り、95%超の高水準を維持している。

 同社の最大の課題はエンジニアの確保だが、2015年4月入社の新卒採用の状況はグループ全体の期初計画から内定者数が90人減の485人となった。新卒に対する求人意欲の上昇に加え、採用活動の早期化や学生の地元志向の強まりで厳しい採用活動を強いられた。

 同様に、中途採用市場もエンジニアは奪い合いとなっており、2015年3月期の中途採用は期初計画から40人減の315人に目標を下方修正した。

 通期の業績予想は上方修正し、売上高804億円(前回発表790億円)、営業利益85億円(同77億円)とした。

 また、同社が2016年度までの中期経営計画で強化を図っているエンジニア紹介事業のグループ会社メイテックネクストの業績は、15年3月期第2四半期の売上高5億36百万円(前年同期比19.8%増)、営業利益1億80百万円(同6.5%増)となった。通期では売上高10億80百万円(前期比23.8%増)、営業利益3億円(同1.5%増)を見込んでいる。

「日本人材ニュース」Vol.243(11月10日)から一部抜粋して転載
※記事の内容は掲載時点のものです。

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