2011年3月大卒者の3割以上が3年以内に入社した企業を辞めていることが、厚生労働省が発表した「新規学卒者の離職状況」から明らかになった。

 2011年3月の大学新卒者の3年後離職率は32.4%。リーマン・ショック後で転職市場が縮小した2009年3月卒の3年後離職率は28.8%と2000年以降で最も低い水準となっていたが、2010年3月卒の3年後離職率31.0%を1.4ポイント上回り2年続けて3割を超える結果となっている。

 産業別に2011年3月卒の3年後離職率を見ると、全体平均を上回っているのが「宿泊業、飲食サービス業」(52.3%)、「生活関連サービス業、娯楽業」(48.6%)、「教育、学習支援業」(48.5%)、「小売業」(39.4%)、「医療、福祉」(38.8%)、「不動産業、物品賃貸業」(38.2%)、「サービス業」(38.2%)、「学術研究、専門・技術サービス業」(33.5%)。

 一方、全体平均を下回っているのが、「鉱業、採石業、砂利採取業」(8.8%)、「電気・ガス・熱供給・水道業」(10.6%)、「製造業」(18.7%)、「複合サービス事業」(19.5%)、「金融・保険業」(20.9%)、「運輸業、郵便業」(24.3%)、「情報通信業」(24.8%)、「卸売業」(28.9%)、「建設業」(29.2%)だった。

 従業員数による企業規模別では、従業員が「5人未満」(60.4%)、「5〜29人」(51.4%)が特に高く、「30〜99人」(39.6%)、「100〜499人」(32.1%)、「500〜999人」(28.2%)、「1000人以上」(22.8%)と企業規模が大きくなるにしたがって離職率は低下する。

 大卒以外の3年後離職率は、短大等卒41.2%(前年比1.3ポイント増)、高校卒39.6%(同0.4ポイント増)、中学卒64.8%(同2.7ポイント増)となり、すべての学歴で前年を上回っている。

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