多様な人材と働くための研修やツールが不足――日本の企業で働く人々のこのような意識が人材サービスの蘭ランスタッドホールディングが世界33カ国・地域で実施した労働者意識調査「ランスタッド・ワークモニター」の結果で明らかになった。

 調査結果によると、グローバル平均で73%の労働者が「多様性のある組織は、同質的な人材が集まる組織と比べ、より成果を出している」と回答している。

 アジア圏では中国94%、インド86%、香港82%、マレーシア80%などが高い割合となっているが、日本は71%でシンガポール70%とともにグローバル平均を若干下回った。

 また、「多様なバックグラウンドを持つ同僚と働くためのトレーニングやツールが提供されている」と回答した労働者の割合は、グローバル平均60%、アジア圏平均79%に対し、日本は40%で調査対象国・地域で最も低かった。

 さらに、「在宅勤務者や別拠点との作業効率を高めるためのトレーニングやツールの提供」では、グローバル平均59%、アジア圏平均77%に対し、日本は35%にとどまり、こちらも最下位だった。

 こうした結果について、調査を実施したランスタッド日本法人の柄沢雅生人事本部長は、「グローバル競争や子育て・介護世代の就業維持・復職の観点から、組織内の多様性を推進する傾向にあるが、そのようなチームに焦点を当てた研修や取り組みを行っているのはまだ少数派であり、今回の調査は日本の現状を露呈した結果となった」と分析している。

 同調査は、18〜65歳の週24時間以上の勤務をする労働者を対象に7月22日〜8月5日に実施した。調査実施国は、アルゼンチン、オーストラリア、オーストリア、ベルギー、ブラジル、カナダ、チリ、中国、チェコ、デンマーク、フランス、ドイツ、ギリシャ、香港、ハンガリー、インド、イタリア、日本、ルクセンブルク、マレーシア、メキシコ、ニュージーランド、ノルウェー、ポーランド、シンガポール、スロバキア、スペイン、スウェーデン、スイス、トルコ、オランダ、英国、米国の33カ国・地域。

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