香港メディアの大智慧阿思達克通訊社は20日、中国国際問題研究院の姜躍春氏の発言として、日中韓自由貿易協定(FTA)妥結に向けてカギを握るのは「日本」であるにもかかわらず、日本は妥結に向けて積極性を見せていないと論じた。(イメージ写真提供:(C) ladyligeia/123RF.COM)

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 香港メディアの大智慧阿思達克通訊社は20日、中国国際問題研究院の姜躍春氏の発言として、日中韓自由貿易協定(FTA)妥結に向けてカギを握るのは「日本」であるにもかかわらず、日本は妥結に向けて積極性を見せていないと論じた。

 記事は、輸出が経済の動力の1つである日本にとって中国の「市場」は重要な存在だと指摘。さらに資源や紡績品、自動車、農業などの分野において日本と中国は相互補完の関係にあると論じた。

 日中の貿易関係は「日本のハイテク部品を用いて中国で完成品を組み立てる」という垂直的分業にあたるとし、日本と中国の双方にとってFTAを結ぶことによるメリットは大きいとの見方を示した。

 一方で記事は、姜躍春氏が「日中韓FTAの可能性はすでに10年以上にわたって議論が行われており、2013年には政府間での協議が行われた」と述べたことを伝える一方、日本は日中韓FTAにあまり積極的ではなく、中韓との経済レベルが違うことを懸念している可能性があると語ったことを紹介した。

 さらに、中韓両国の首脳が14年内の妥結で一致していることを挙げ、「日中韓FTAよりも中韓FTAが先に妥結される見込み」と指摘、中韓FTAにはもはや障害はほとんどなく、日中韓FTAの実現には日本の積極性が鍵になるとの見方を示した。(編集担当:村山健二)(イメージ写真提供:(C) ladyligeia/123RF.COM)